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象徴的解釈:双子座2度のサビアンシンボル

Gemini 2:Santa Claus filling stockings furtively.
《日本語訳》こっそりと靴下に物をつめるサンタクロース。

双子座2度の意味

  • さまざまな思想の混成

  • 商業との関わり

双子座2度の解説

象徴の解説:「サンタクロース」

2度はそのサインの根底を流れる地下水脈のようなもので、サインの潜在的性質を表します。そのサインの思考や行動の発端となるような性質です。
双子座サインは1度に登場した人工物(グラスボート)に象徴されるように、人間が生み出したあらゆる物、知識・技術・言葉・思想などと関わりを持ちます。

双子座2度に登場する「サンタクロース」は、長い歴史の中で人間がさまざまな思惑・理想・夢をもとに練り上げた、空想の産物です。クリスマスの象徴とも言えるサンタクロースが生み出された背景には、宗教伝説だけではなく、商業的要素がふんだんに盛り込まれています。

双子座サインの原動力は、人間が考えたさまざまな思想やアイデアに興味を持ち、それらを世の中に広めるところにあるでしょう。それが双子座2度に示されています。

「サンタクロース」の由来:聖ニコラウスの伝説

現在世界中に広まっているサンタクロースは、3世紀後半に生まれた聖ニコラウスの伝説に由来しています。
聖ニコラウスの教区に、3人の娘を売って生計をたてている貧しい家がありました。そのことを知ったニコラウスがその家に金塊を投げ込んだところ、娘の靴(または靴下)に入り、その金塊のおかげで娘たちは次々と結婚することができたというお話です。

このほかにも弱者を救った伝説をもつ聖ニコラウスは、女性や子どもの守護聖人として崇められ、彼が亡くなった12月6日は聖ニコラウス祭として祝われるようになりました。聖ニコラウス祭の日、1年間良い子にしていた子どもは聖ニコラウスからプレゼントがもらえますが、悪い子は従者クネヒト・ループレヒトにお仕置きされてしまいます。
子どもたちに夢を与える目的もあったのでしょうが、躾のために利用されていた印象は否めません。

アメリカで生まれた「サンタクロース」

この聖ニコラウス祭はアメリカへ入植したオランダ人によって伝えられました。ニューアムステルダム(後のニューヨーク)をイギリスに譲り渡した後も、聖ニコラウス祭は祝われ、オランダ語のシント・ニコラス(聖ニコラウス)はやがてサンタクロースと発音されるようになりました。

聖ニコラス(アメリカでの呼び名)は、ワシントン・アーヴィングの歴史書『ニッカボッカーのニューヨーク史』(1809年)で紹介され、神学教授のクレメント・C・ムーアの詩『聖ニコラスの訪問(クリスマスのまえのばん)』(1822年)が新聞に掲載されると、アメリカ中で人気を博すようになります。

現代のサンタクロース像の元型を描いたのは、ドイツ人の風刺画家トーマス・ナストです。1862年~1866年にかけて、ナストは週刊誌『ハーパーズ・ウィークリー』にサンタクロースの絵を発表しました。北極に住み、愛嬌のある顔に白いたっぷりとしたひげ、丸々太ったサンタクロースがトナカイの引くソリに乗って空を飛び回り、子どもたちにプレゼントを配るのです。

ナストが描いたサンタクロース像は大衆的人気を博したイラストレーターのノーマン・ロックウェルに受け継がれ、その後コカ・コーラ社の広告アートを担当していたハッドン・サンドブロムの手腕によって、世界中に広まっていきます。

双子座サインに内在する、商業的コミュニケーション

フランスの人類学者レヴィ=ストロースの著書『火あぶりにされたサンタクロース』では、フランスのディジョンという都市でサンタクロース像が火あぶりにされた事件が取り上げられています。キリストの生誕を祝うという本来の意味からかけ離れた商業的(アメリカ的)なクリスマスへの批判が発端となり、クリスマスの象徴だったサンタクロースにその矛先が向かったのです。批判の根底には異教が復活する懸念という宗教的問題もあったわけですが、ここでは詳しくは触れずにおきます。
双子座2度と関係しているのは、「サンタクロース」という存在が人間のさまざまな思惑によって形成されてきた歴史を持ち、現代に近づくにつれ商業的な役割を担うようになったということです。

双子座サインは商業やマス・コミュニケーションと関わりがあります。商業とは製品やサービスを提供する側と享受する側を結び付けること、マス・コミュニケーションとは不特定多数の人に多くの情報を伝えることです。

双子座2度に登場する「サンタクロース」には、双子座サインと関わりがある要素(思想、コミュニケーション、商業・流通)が全て含まれています。子どもたちにプレゼントを渡す役割まであるなんて、象徴としてとてもふさわしいものだと思わずにはいられません(双子座サインは初等教育、つまり子どもとの関わりも深いからです)。

サビアンシンボルの解釈について

当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。

象徴的解釈:双子座1度のサビアンシンボル
象徴的解釈:双子座2度のサビアンシンボル
象徴的解釈:双子座3度のサビアンシンボル

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