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スウェーデンにくる日本人女性へ注意喚起 


若い女性でまだスウェーデンに来て間もない場合、嫌なことですが、売買春を提案されることもあります。
今回は注意喚起もかねて友人のケースを紹介します。


スウェーデンでは、セックスを買うこと、買う交渉を持ちかけることも犯罪です(NSPM)。

今回、道案内をしてくれて親切だなと思った男性から買春を持ちかけられるという大変不愉快な経験をした友人を手伝って、相手を警察に通報してきました。

通報するためにしたこと

メッセンジャーのチャットに加害者とのやりとりの証拠があったのでスクリーンショット。

メッセンジャーから加害者のFaceBookを確認し、本名と思われる名前を特定。

FB でみつけた本名と思われる名前をLinkedIn で検索。プロフィール写真で本人とわかりました。

本名がわかったのでhitta.seで電話番号や住所、年齢を見つけました。(hitta.seは違法サイトではなく、個人の公開情報がのっているサイトです。)

スクリーンショットおよび加害者の情報をプリントアウトして警察に提出。

警察署での流れ

番号札を取り順番待ち。

警察官に通報する旨をつたえる。

どういう状況だったか、いつのことかなど警察官の質問に答える。

上で集めた証拠となりうる書類を提出。

被害者のパーソナルナンバー/コーディネーションナンバー、電話番号を登録。通報した人のパーソナルナンバー、電話番号を登録。

ケース番号をもらって帰宅。

調査結果がでるまでは時間がかかるが結果は郵送で知らされる。

場合によっては後日事情聴取もありうる。無料通訳は警察署が手配。

警察官に確認したこと

通報するには

オンラインで通報できるが警察署に行くほうが早い(ちなみに私、スウェーデン人の友人2人に手伝ってもらいましたが、オンラインでの通報方法はこのケースだとぜーんぜんやり方がわかりませんでした!)

パーソナルナンバーを持ってる人しか通報できない

買う交渉を持ちかけられたというケースで通報してもなにか実際の刑罰に進むのは正直難しい。

立件するのは難しいというのは知っていましたが、こういう犯罪は常習性が高いので通報実績を積んでおくのは大切だと思い、警察署に行ってきました。実際、友人に見せてもらったチャットは「うわ、こいつ慣れてんなぁ」と感じさせるものでした。

通報へのハードル

警察に緊急で電話してもなかなか繋がらない。通報するために通常の警察の電話番号にかけたら少なくとも3時間待ち。

警察署はびっくり土日休み。

マイナンバーが必要。(持っていなければマイナンバーを持つ人に同伴してもらう必要がある)。

どこの警察署でも通報できるわけではなく、今回はNorrmalm の警察署に行きました。また、警察署の空いてる時間も署によって異なります。

Brottsförebyggande rådetの報告によると、買春被害者は移民女性、とくにパーソナルナンバーがなく収入が不安定な女性に被害が多いです。

それをわかっている人が買春をします。

そして通報にはマイナンバーが必要で、仕組みとして被害女性が被害を訴えにくくなっています。非常に残念です。

また、Brottsförebyggande rådetによると、警察は性犯罪に割くリソースが少なく優先順位を低くせざるを得ないため買春未遂で立件するのは難しいようです。

余談

実際に被害にあった場合、警察に連絡するのはもちろん kvinnofridslinjen https://kvinnofridslinjen.se/ にサポートを求めるのもいいなと感じました。

アドバイスが欲しくて電話してみたら電話は2-3分で繋がりました。

オペレーターは社会福祉士なので安心です。連絡すべき機関を教えてもらったり、精神ケアをうけるための情報も提供してくれます。また、電話ではなく匿名でチャット相談することもできます。

UNIZONのサイトでは

https://www.unizonjourer.se/hitta-stod/

自分に合った相談先を検索できます。匿名のチャット、若者向け、などなど。


金銭の授受無しで同意を確認し合ったうえで楽しくリレーションを育む規範を育てようと頑張っているスウェーデンですが、それでもまだまだ不安定な立場にある若い女性は性犯罪にあうリスクが高いのも事実です。

今回はこういうケースもあるので注意してくださいね、という気持ちでシェアさせたいただきました。

ちなみに、警察署が土日やってないとは全く思わず土曜に友人と待ち合わせして警察署に行こうとしたんですね。そしたら友人が「他のスウェーデン人の友人が土日警察署やってないって言ってたけど大丈夫かな?」と言うので慌ててホームページ検索。え、ほんとに開いてない…!とびっくり。でもホームページに載ってる情報がいつも正しいわけではないスウェーデンなので、道行く警察官に直接聞いてみました。
警察官いわく、「我々警察は、スウェーデンで一番最低最悪のサービスクオリティなので、土日は開いてないし、電話しても長時間待つことになります」とのこと。
高福祉国家スウェーデンは過去の話ですよ!というのをよくこのブログで紹介していますが、やっぱり、社会サービスにきちんとお金が分配されない社会になってるなぁと改めて感じました。

参考

Brå.Drygt 20 år sedan kriminaliseringen av sexköp – hur arbetar rättsväsendet idag?
https://bra.se/om-bra/podd.html

Hitta.se

https://www.hitta.se/

 Kvinnofridslinjen 

https://kvinnofridslinjen.se/

NSPM.LAGAR, KONVENTIONER OCH ANDRA STYRANDE DOKUMENT

https://nspm.jamstalldhetsmyndigheten.se/fordjupning-och-rapporter/lagar-konventioner-och-andra-styrande-dokument/

Polis

https://polisen.se/om-polisen/kontakt/polisstationer/stockholms-lan/stockholm-city/stockholms-city-norrmalm/


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