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スウェーデン住宅市場におけるジェンダー不平等

今回は2023年ジェンダー平等フォーラムからマルメ大学 Martin Grander教授による講演会Hur får vi en jämställd bostadsmarknad? をご紹介。


本題に入る前に…

前提① そもそも男女で収入差がある

女性は男性の給料の80% (=年金も男性より低い)

2019年のデータによると収入差を1年で換算すると約87万円の差になる。

前提② 女性のほうが育児休暇をとる (収入が男性より低くなる要因の一つ)

女性 70 % 男性 30%

Försäkringskassan 

前提③ 女性のほうが傷病休暇をとる(収入が男性より低くなる要因の一つ)

2022年は 197 950 人が傷病休暇を取得。

そのうち 65 %が女性。(Försäkringskassan)

ここから本題

住宅市場におけるジェンダー不平等で影響を受けるのは


65歳以上の女性

シングルマザー

今回紹介するのはシングルマザーのケース


離婚後、家賃(ローンの支払いも含める)を1人で払えないと答えたのは

男性 14%
女性 28%

女性が男性の2倍

離婚後シングルマザーは住宅を維持するのがむずかしく、賃貸に引っ越すケースが多い。

25の大都市に住む人で、平均収入があり2人の子どもがいる場合、3部屋のアパートを買う余裕があると答えたのは

男性 7都市
女性 0都市

スウェーデンは住宅市場が高騰しており、賃貸を見つけるのも大都市では難しい。
部屋を借りるにあたって収入条件があり、育児手当、傷病手当、年金、生活保護などの社会保障給付も収入として認められる。これらの社会保障給付はシングルマザーや年金受給女性にとって住宅を借りる際の命綱になっている。

つぶやき


前提①ゆえに、世帯収入を減らさないために収入が少ない母親が #育児休暇 を多くとることになります。(前提②)育児休暇だけでなく、子どもの病気休暇をとるのも母親が多く、結局母親の #育児負担 が大きくなります。またジェンダー平等庁のレポートで紹介したように、家事負担も女性のほうが大きく、仕事と家事育児で負担がかかりすぎて傷病休暇をとるという悪循環…(前提③)そして前提条件①②③の最悪コンボで女性の年金が低くなり、高齢女性が住宅難に苦しむわけです(これについての講演会もまた紹介します)…。
シングルマザーの貧困ももちろん住宅市場におけるジェンダー不平等が影響します。家賃を払った後残るお金が少なすぎて食費を切り詰めている家庭が、この数年の食料価格の高騰やインフレでさらに困難な状況になっています。このようなシングルマザー家庭を対象にした市民団体の支援がよく目につくようになってきています。

今回紹介した講演会は、2023年 #ジェンダー平等 フォーラムの一つ。他にも#スウェーデン の #ジェンダー不平等 が沢山取り上げられているのでまた紹介します。

インターン終わりに志望動機書とか就活してるとインスタ記事を作る時間がなくなってしまって悲しい😢 ChatGPT を駆使してるものの、ChatGPTの書く志望動機書ってなんかアメリカンになりすぎる(私は最高の候補者ですよ★みたいな)ので結局手直ししないといけなくて時間がかかります😭😭


参考

Försäkringskassan.Antalet sjukskrivna varierar över tid

Försäkringskassan. Det som är bra delar man lika på

Jämställdhetsmyndigheten.DELMÅL 4: JÄMN FÖRDELNING AV DET OBETALDA HEM- OCH OMSORGSARBETE

UR.Hur får vi en jämställd bostadsmarknad?







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