30歳。こんなはずじゃなかった
最近、よく散歩をする。
遅い時間だと人に会わないということもあるが、星がよく見えていい。
こんなにはっきりと意識的に星を見るのはいつぶりだろうか。
いつもは明るい歓楽街が早めに暗くなるからだろうか。思春期によく星を見ていたことを思い出す。
モテまくる30歳
14歳のぼくは、よくドラマを見ていた。特に毎週欠かさず見ていたのが「プライド」だった。アイスホッケーをする木村拓哉さんは憧れで、ドラマの主題歌だったQueenの「I Was Born To Love You」は洋楽の素晴らしいさを教えてくれた。
当時、木村さんは30歳だった。
「ぼくも30歳になったら体も鍛えて、格好良くて、色気も出て、モテまくってやる」
と部活で散々走ったのにもかかわらず、ドラマ後に星を眺めながら走った。
16年後の自分に期待していた。
仕事バリバリの30歳
18歳のぼくは、社会に出るための研修として、企業実習体験をした。ぼくは、ある製鉄会社に2週間毎日「出社」し、社会人としてのイロハを学んだ。もちろん学生の、しかも授業の一環であったからほとんどお客さんとして対応していただき、あまりしんどい思いはしなかった。
けど、そこで出会った若手社員で研修担当のお兄さんに感動した。
会社で笑顔でみんなに話しかけ、学生のぼくが見ても、その人が全体の雰囲気を良くしていた。他の方が言っていたが、そのお兄さんは営業マンでエースだという。そのお兄さんは、うる覚えだが確か30歳近くの方だった。
18歳のぼくは、仕事場から帰るバスの中から星を見て、お兄さんを12年後の社会人のぼくに重ね、仕事を頑張ることを誓った。
あれから本当に12年が経った。
今年ぼくは30歳になる。
いま、色んなことを思い返して星を見ている。
もちろん木村拓哉さんにはなれてないし、バリバリに稼ぐ営業のエースにもなれていない。
仕事は楽しく、時に厳しくやっているが、あの時のお兄さんとは比べるまでもない……
暇になれば本を読んだりして、運動不足は否めない。モテまくることもない。
だけど、捨てたもんじゃないとは思ってる。
何だか色々考え込むたちだから思ったことをnoteに週一くらいで、うだつの上がらない文章を書いている。けど、「スキ」を貰えることもあって、案外楽しい。
思春期のころから好きだった読書にも拍車が掛かって、周りに驚かれる豆知識も蓄えている。まぁ役に立つかは分からないけど、知ってて損はしないし、たまーに人と話す時に役に立つ。
どうやら10代の頃のぼくが思い描いた理想の自分といまの自分は違うみたいだ。
だけど、別に嫌じゃない。好きなこともあるし、好きな人もいる。理想よりもしんどいことは多いけど、思いもしなかった出会いもあって楽しい。
たぶん10代の頃のぼくは、ずっと一番光ってる星ばかりに目がいってたんだと思う。
星はいっぱいあって、それぞれ場所や光り方はちがうけれどキレイだ。
ごめんな、10代の時ぼく。
さぁ楽しもう、30代のぼく。
鈍い光で生きていくよ。
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