ウイスキーを女性に喩えるシリーズ #5(カリラ 25年)
『強さは、時にジレンマとなる。』
オフィス街を颯爽と歩く彼女の姿は、
冬に吹く春風のように、人々を振り返させる。
仕立ての良いスーツを着て、
ハイブランドのセカンドバッグを携えていた。
彼女はこの辺りだと有名な女性起業家で、
これまでにいくつもの会社を成功させてきたという。
歩くヒールの音から、
彼女の溢れる自信が伝わってくるほどだ。
そんな彼女は、僕の所属する会社の社長である。
新人社員の僕からすれば雲の上のようなひとで、女性の対象としてみるにも恐れ多いくらいだ