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砂漠で生きる
2022年5月5日 14:09
霧が立ちこめる港湾都市の一角。なだらかな坂になった通りに、白い西洋風の建物が並んでいる。そのなかでも特別年季の入った3階建ての地下、ひっそりと営業しているバーにぼくはいる。同じ丸テーブルには、一人の小柄な女性がいて、この人は横山さんといった。中学校の頃の同級生で、たしか一度いっしょに保健委員になったことがある。中学を卒業してからは、今日まで会ったことはなかった。昔と変わらないおかっぱ頭をしている