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友人に審神者がいるだけの全くの初心者が「映画刀剣乱舞 黎明」を観に行った感想

自己紹介

もしかしてタグ検索などから辿り着いた審神者の方もいらっしゃるかもしれないので軽く。
基本的な住処は特撮ヒーローとアイドルアニメ、ロボットアニメとかの男性です。ソシャゲはほぼしないし、アニメも観るジャンルの冒険をしないので人生において刀剣乱舞に触れる機会はほぼなかったです。後述の友人づてくらい。

観るに至った経緯

完全に自分語りになります。
アタシには10年来の付き合いになる友人がいて、そいつはあらゆるコンテンツを転々としながら上手い絵を界隈に残して去っては次へ進む流浪の腐女子なんですが、「そんな私が1年以上刀剣乱舞の沼に浸かってる!すごくね!?」とメッセージが来たところから全ては始まりました。今年の1月くらいだったと思います。その流れで布教を受け本当は刀ステ?というやつの劇場上映のやつを観にいくつもりでそいつにもそう伝えていたんですが、受験がガッタガタで行けずじまいで、まあ友人相手にしても「全然いく!」とか気のいいことを言ってしまった手前で、どっかで行っとかないとな〜…とか思ってたのが理由としてはありました。

というのはまあ3割くらいで、のこりは新しいものも観てみよう、という冒険心2割と、石切丸役崎山つばささんの銀幕での活躍を観に行くため5割という感じでした。
崎山さんは現在放送中「仮面ライダーギーツ」にて晴家ウィン/仮面ライダーパンクジャックを演じていました。いましたというのは、彼は中盤で行方不明になってしまっているんですよね…。好きなキャラが生死すら分からずほっとかれている状況は正直快いものではなく、ギーツ本編が面白ければ面白いほど、その後ろ髪引かれる思いは増すばかりでした。藁にも縋る思いで崎山さんのTwitterをフォローし、出演作を確認していたところ、映画刀剣乱舞についての告知が。布教もあったし…これは行くしかない…そう決断したのがつい本日の昼頃。(書いてたら昨日になってしまった)そして即断即決で行ってきた、というわけです。

感想

事前に最低限のレクチャーを件の友人から受けていたので観るに当たって戸惑いなどはなかったように思います。ていうかちゃんと顔アップで名前デカデカと出してくれるからなんならレクチャーすらなくても良かったかもしれない。
そしてその登場シーンの迫力。名乗りをあげたりポーズ決めたりは流石になかったですが、十分に尺を使って一振り一振りの刀剣男士を魅せようという気概が素晴らしく、最序盤にしてすっかり掴まれました。全編に渡って使われる桜(?)のエフェクトも問答無用に希望を感じさせて良い。戦闘中にケレン味ではなく穏やかさで安心感を与えるというのは新鮮でした。
殺陣は流れるように美しかったです。力強さがいい意味で廃され、軽やかで滑らかであることが重視されているのかな、なんて思ったりしながら観ていました。かっこいい。
あの酒呑童子は原作にいる…?んですかね…?脚本によって直前に時間遡行軍(?)の鬼(?)との接触がきちんと示されていたのでまあ…と思っていましたが突然絶叫して鬼になるもんだからびっくりしちゃって…
なんかこの辺からあれ?ニチアサ?と思わなくもなかったです
舞台が現代に移ると戦闘シーンが急に見慣れた感じを出してきておやおや?という感じでしたが、いやそんな姿勢では失礼だと思い直してストーリーパート。琴音の音楽やってる設定は現代日本において刀を白昼に持ち歩くには絶好でしたね。あまり活かされていたようには思えませんでしたが…。設定を読んだ感じ彼女とて原作におけるプレイヤーキャラとはまた違った存在ぽいので、もう少しキャラ強めでも良かったかも…と思わなくもなかったです。
それはまあいいんですよ。それは…でも…あのウィンクの記憶細工は…何…?ほんとうに何…?あのインナースペースも何…?手伸ばしてケース開けるのも何…?俺はもしかしてウルトラマンギンガを観ているのか????いやでも三日月はかっこいいな…
原作要素なのか謎に生えてきた要素なのか判別する間もなくまあそういうもんか…最強の付喪神らしいし…と流していると登場するは中山咲月氏演じる伊吹。なんだやっぱりニチアサじゃないか。
ゼロワン以降あまり出演作を追うことはしていませんでしたが、酒呑童子との二役をこなす技量には驚きました。儚げな役が似合いますよね…。
なんて思っていたら、学校に着いてきちゃう三日月……おまえ…やっぱりスパークドールズなんじゃ…
そして突然登場する他の「仮の主」たち…おや、2012年なギャルメイクで若干分かりづらいですが、柳美稀氏ではないですか…なるほど…ニチアサでは?
議事堂の地下室での一幕だいぶ面白かったですね。あそこだけセリフ展開がシンゴジラだったような気がします。そうか?
全国から続々集まる仲間、既に構築されている関係性…なるほど、よく分からないけどとりあえず「置いといて気にせず観るべし」ということはわかった、という感じでキャラの濃さに助けられ理解にそれほど苦はなく観ていられました。三日月vs国広vs長義のシーンも上からのアングルだったり迫力と見やすさを兼ねたカットが多く素直に燃えました。工場に最初入った瞬間は「いつもの工場」かと思って一瞬笑いそうになったけど。
やはりバトルシーンがある作品は単純に殺陣の面白さだけで見応えがあるから全くの初心者が観るのに向いてるジャンルですね。
そして段々と明らかになる琴音の能力…なるほど、一回三日月が消滅しちゃうんだけど力が覚醒して展示品から再び召喚(?)する流れだな?なんて思っていた時期が私にもありました。流石になかった…。
タケルの造形は特撮を追ってるとやはりウキウキしてしまいましたね。明らかにいつもの敵と出自の違う異形が出てくるだけで楽しい。あそこ以外に出番はありませんでしたが…。
さて、大変なことに終盤に差し掛かるにつれて文脈が段々分からなくなってきます。「歴史を守る」「主の命とあらば」「黒田」…込み入ってきたな…なんて…ただ先ほども述べたように分からなさはアクションにおける爽快感にはあまり絡んでこないので全然良いんですよね。最終決戦でのみんな蘇ってくる感じもアツかった。エンドゲームだったかもしれない。琴音の呼びかけは若干クサいな〜と思いつつ、過去の遺物たる刀剣すら想いの力によって遥か未来を経て現代で華麗に舞っている中、大切な弟の遺品に何も宿らないわけがない、という、キャラの感情と作品ギミックがうまいこと噛み合っている時のニチアサみたいだ!とちょっと涙ぐみました。あそこが一番好きかもしれません。
そして首を落とされて尚噛み付く酒呑童子。ここは伝承通りですね。

ってえ…?刀を…投げ…え…何?何の技?あ…一刀両断…お見事……

断言します。ニチアサです。
完全に等身大の敵を倒した後の巨大戦です。本当にありがとうございました。
というか端々からそんな気はしてたんですよ…カッコいいキャラがカッコよく戦うまでならともかく、観衆の大勢いる中で戦ったり、戦闘中に知識がないとよくわからないかっこいい決め台詞を言ったり、わざわざ並んで敵を迎え撃ったり、鍔迫り合いに会話が挟まれたり…アクションパート、だいぶニチアサでした。申し訳ない。これだけはハッキリと書いておきたかった。

総括

と言っても、この作品、「刀剣男士をとにかく美しくカッコよく魅せよう!」というところから軸がブレず、明快で素敵な映画でした。観てよかったな。
肝心の崎山さん/石切丸ですが…かっこいい…けどキャラを知らないのでそりゃよくわからんよね…という感じでした…。これは若干反省。キャラデザは好きです。かっこかわいい。

刀剣男士たちが「歴史ある伝来の品」という側面を持つ「刀剣」というモチーフだからこそ醸し出す気高く優美な雰囲気も独特で、同じく擬人化ゲーム作品の「艦これ」の魅力が艦娘たちの大半が既に轟沈した記憶を引き継ぐ儚さにあったことを鑑みると、「刀剣乱舞」の魅力の一端みたいなものは掴めた気がします。そういう点では小烏丸がめちゃくちゃ良かったです。ぶっ飛んでるキャラデザから飛び出る「父」「子」、でもなんとなく大いなる父性に疑う余地はない気がする振る舞いと戦いっぷりが文句なしにかっこよかったです。目力すごい。少し調べましたが日本刀の成立過程に存在するどえらい刀みたいですね。(追記:特典のステッカーが小烏丸だったのでよかったです)

感想がところどころ大味ですが、(直後にハシゴでグリッドマンユニバース5回目をキメたためです。)とにかく楽しめた、ということが伝われば幸いです。ごきげんよう。

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