見出し画像

草津とオセロ(2019.4.14)

さくらこさんのおうちで『ベランダでオセロ』の読書会。ベランダでオセロ、略してベラオセ。略すと、サンテレビの野球中継の合間にやってるパチンコ屋の名前みたいになっちゃうな。ベラオセの4人も参加しての読書会で、ベラオセはめっちゃおもしろかったので読書会に向けてはりきって色々考えてきた。まず最初に土岐さんがレポーターとして意見を発表して、そのあと参加者も含めてみんなで好きに喋る感じ。おしゃべりさんなのでいっぱい喋った。

はい、じゃーん!さくらこさんの苺パフェ!ふわふわスポンジと冷たいバニラアイスに苺ソースを絡めて食べると甘酸っぱくて春です。食べながら読書会、と言いたいところやけど、パフェはおいしくて一瞬で食べてしもた。おいしいもん食べて脳がやる気になったので、読書会再開。

以下、4人の作者について読書会を通してうちが思ったことと、好きな短歌です。

●御殿山みなみ「テン・テン」
読んで自分で納得するのにいちばん時間がかかったのが御殿山さん。10個の連作があるねんけど、内容も文体も主人公も全部ばらばらなので、読書会に向けてどのようにまとめたらええのかに苦労した。けどそれは悪いことじゃなくて、そんなことできる人なかなかおらんからすごい。器用。器用貧乏という声もあったけど。でも器用金持ちより、器用貧乏のほうがすごそう。
作者本人と飲みに行くことがよくあるので、仕事辛い、世の中辛い系の短歌は、かわいそうに思いすぎて素直に短歌を楽しむことができひんかった。作者のことはあんま知らんほうがええんやろうか。てか御殿山さんの連作は創作感あるのに、なんでうちは本人と結びつけちゃったんやろ。読むのに時間かけすぎたからかな。
あとこれ短歌と関係ないけど、ポプテピピックっていうアニメは毎回主人公の声優が変わるらしくて、どういうことかめっちゃ気になった。見てみたい。

ガシャポンの取り替え業者がガシャポンを袋にいれる開けもしないで /御殿山みなみ「転倒倶楽部」

●佐伯紺「本棚」
ゆるふわでつかみどころのない主人公の生活の短歌なんやけど、生活感がない、という生活って感じ。裏の裏は表、みたいな。あんまり強い短歌は少ないので、ふらふら読み飛ばしそうになるけど、よく読んでいくと結構魅力的な主人公やな。山階基さんの「コーポみさき」という作品を読んでから生活の短歌が好きで、佐伯さんの描く生活も楽しく読めた。
短歌は繰り返しの短歌がいっぱいあって、これは佐伯さんの技なのか手癖なのかという話になった。読書会では意見が分かれたまま結論は出えへんかったけど、家に帰って佐伯さんが参加してる同人誌の『遠泳』を読んだら、こっちにも繰り返しの短歌がいっぱいあって、ここまでくると技かもな、と思った。技にしても多すぎる気はするけど。

もはや裏紙の間取り図住まなかった部屋をおもうと人生が足りない /佐伯紺「家と紙」

●橋爪志保「好きな生活」
「バッテラ」のゲストにも来てもらった橋爪さん。大好きな歌人です。橋爪さんは連作じゃなくて、100日分の日記と1日1首の短歌。こちらも生活の短歌なんやけど、佐伯さんとは違って生活!する!って感じ。土岐さんがレポートで「戦士が戦ってるよう」と言うてたのもわかる。戦ってるけど、毎日それなりに楽しそうなところが良い。うちが作ろうとしたら日記が短歌の説明になってまいそうやけど、全くそんなことなく、日記も短歌も詩なのがすごい。日記と短歌、相乗効果でより良いひとつの作品になってる。
読書会では、「私が好きなのは◯月◯日の日記」という発表大会になって、これがめちゃ楽しくてあと8時間くらいやってたかった。それぞれに日記と短歌の理想のバランスがあるみたいで、うちがいちばん好きな組み合わせは、普通の日記っぽいところから短歌になるときに詩になる頭の動き!みたいなやつでした。(6月9日です。ベラオセ持ってる人は見てみてね。)

咳込めば死ぬとあたまが勘違いしたのかきみを思い出させた /橋爪志保(7月3日)日記省略

●水沼朔太郎「おでこの面積」
短歌1首1首で読むといちばん謎やったのが水沼くん。な、なにを言いたいんや……?みたいな短歌が多い。読書会で、水沼くんの短歌は読者を意識していないという話があって、わかったようなわからんような気持ちやってんけど、みんなで話していくうちにだんだんわかってきた。おおこれが読書会の魅力やな。
うち的に納得したのは、読者を意識してないんじゃなくて、むしろ結構意識してんちゃうやろかということ。頭の中で考えてることをそのまま短歌にしたような作風で、直接読者に訴えかけることはないけど、視線だけめっちゃ感じる、みたいな。あと何度も同じアイテム(汗とか扇風機とか)が出てきて、そのしつこさもおもしろい。しつこさって、自分に問題提起してるみたいにみえるし。

信号のない交差点わたるのをパンでたとえるならクロワッサン /水沼朔太郎「鈴虫」


めちゃ長日記になりましたな。読書会後は、さくらこさんのおいしいご飯をみんなでいただきます。

鯖寿司♡♡ご飯すぐ食べちゃって全然写真撮らんかったけど、かに玉みたいなえび玉の甘酢かかったやつとか、ホタルイカのパスタとか、ほんとおいしくて永遠に食べた。
あと念願のパンコントマテ!正月にスペイン旅行する番組で観て、めっちゃ食べたかってん!パンコントマテは家でもできそう!ありがとうさくらこさん!(ここで突然のお礼)

はー、散々短歌の話したのに、ご飯食べながらまた短歌の話。短歌の話楽しいな。歌会も楽しいけど、読書会もええな。読書会があると、歌集全体を理解しようと思って読むので前向きな姿勢で読めるし、自分はこういう理解をするのか……という自分自身の把握にもなる。雰囲気もごはんも読書会の進め方もよかったし、なにより歌集自体がおもしろかったし、いろいろ好条件が合わさったんやと思うけどほんと満足でした。またやろうね。

#日記 #短歌 #ベランダでオセロ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?