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2024/05/31(金) 日記。映画「トノバン」。加藤和彦。酢豚。

昨夜、予約してチケット購入した。
映画を見に行く。
「トノバン 音楽家加藤和彦とその時代」。
実に面白かった。
まず最近の映画館は音が良い。椅子が良い。マナーが良い。
そんなことはどうでもいい!
Amazonレビューに、商品の感想でなく、梱包がどうとか、キレイなものでしたとか書いているようだ。

映画の内容は、日本の音楽シーンに興味がある人は絶対見たほうがいい、というぐらい良かった。
僕はあまりにも加藤和彦について何も知らなかった。
この映画を見たら全部分かるわけでは全くないが、彼の存在が日本のポップミュージックの新しい道を切り開いたとよく分かる。
なんとなく偉い人と思っていはいたが、そこまで全体に影響を及ぼしていたとは知らなかった。
なんでも知っているふりをする人がいるが、それはあかんと思った。

泉谷しげるのプロデュースをしていたのは知っていたが、
「80のバラッド」とかのかっこいいアレンジのやつぐらいと思っていたら
「春夏秋冬」から加藤さんだったのだ。知らんかった。
岡林信康の「山谷ブルース」でアコギを弾いていたのも最近知った(映画では触れられてない)が、
なんと吉田拓郎の「結婚しようよ」のプロデュースまでそうだったとは、俺は無知だった。
あのリズムは「あの素晴らしい愛をもう一度」の「トン、トトン、トン、トトン」と同じパターンだったのだ。

高中正義もつのだ☆ひろも、加藤さんからあらゆることを学んだと言っている。

最近ずっと著作を読んでいるきたやまおさむさんがたっぷり生で喋ってくれているのが聴けて嬉しかった。

初めてじっくり観た動くサディスティック・ミカ・バンドが、むちゃくちゃかっこいい。

あらゆる関係する人が思い出を語るのだが、京都の板前さんまで出てきて、生きてはったら喜んでくれはるんちゃうかな~と、一品を出すシーン。

音楽界の伊丹十三みたいな人だったのかな、と思った。

そして、パンフレットで監督が語っているが、この映画の制作の背中を押したのが、
高橋幸宏だったそうだ。

映画のラストに現役世代での「あの素晴らしい~」の演奏がよかった。
やっぱりフォークル新メンバーの坂崎幸之助がいないとね。
パンフに載っていたが、初めて加藤さんと練習したとき、「この日のために40年予習してきましたから当時の曲なら大体弾けます(笑)」と言ったというのが、実にいい話だなあ、と。
僕的にはいつか坂崎さんを主役にした映画が観たい。それこそ日本のフォークその後の世界を網羅するだろう。

実を言うと、音楽ドキュメンタリーって、僕はさほど好きでないのだ。
大抵長時間観ていると疲れてくる。
だがこの映画は2時間、半分くらい制作会社のおじいちゃんが喋っているシーンなのだが、
全く退屈せず、もっと言ったら歴史に参加させてもらっている気分で見ることが出来るほど良かった。
昔話は聞くものだ、と若者に言いたい。
また、現象というのは、見えている部分だけではないという当たり前のこともよく分かった。

とにかく。
このような作品が残されたということは、若い人が興味を持ったときに、いつでも訪ねる場所があるということで、大変喜ばしいことである。

夜は酢豚。評判良し。

早く寝る。

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