見出し画像

思い出の中の記憶

いつだって思い出の中の記憶は美化される

小学校の行き帰り

何気ない友達の会話

血反吐を吐いてしまうような暑さ

人生の通り道は辛く茨の道だが

人間は辛く悲しい記憶さえ

楽しく思えれるように美化している

きっと、きっとそうしないと

毎日が窮屈になるからだ

人間は思い込めばなんでもできるんだ

そうやって日々の勘違いが軋轢を生じさせ

僕の心は思うように動かなくなった

雑踏の冷たいため息を夕陽が照らす駅のホーム

名もなき人たちにもきっと同じドラマがある

ただそのドラマはどこにも放映されず

地の底に放り投げられて終わる

一部が脚光を浴びて

そのステージを外から眺める

僕は 見てる

君の行き先を見てる

通学路 歩道橋 ドブ川の橋

炎天下 冬の朝 潰れてしまった水筒

何もかも出来そうだった

全能感に溢れていたあの頃

何もかも無力だった

自分の能力の限界を思い知った現在

さよなら、大嫌いだよ。美しき思い出

僕は涙目で今を生きている

この世界は僕を干渉しない

この世界は僕を鑑賞しない

世界と僕の間のエネルギーは

どこにも消費されないまま

虚空に消えて今日も散る

結局、怪文を描くことと歌うことでしか

能がない僕にとっては

この世界を表す言葉は

つまらない以外の何者ではない

意味のない労働を重ねて

何もかも虚無に苛まれる

そしてこのような

意味のないストーリーを書き殴る

長く書きすぎたからこれで終わろう

最後に一つだけ

好きなものをずっと好きでいれる事は

ある種の才能だと思う

でも苦痛を耐え忍ぶのも一種の才能だと思う

君の人生の先に永幸(栄光)があることを願う

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?