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映画感想文「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」スカーレット・ヨハンソンの魅力全開の快作

美しいのに、どこかキッチュさが漂う。

そんなほころび具合が好きだ。まさにその本領発揮できるストーリーと役柄。ということで、スカーレット・ヨハンソンの魅力全開である。題材は誰もがワクワクする人類初の月面着陸。映画館で観るにふさわしい、華やかで心躍る作品だ。

1969年米国のNASA。ケネディ時代にぶち上げたアポロ計画から10年近く経つが未だ失敗続き。予算も削減されそうな宇宙計画。そこでNASAが起死回生すべく雇ったのは、やり手の広報担当ケリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。

相手の懐に飛び込んで心を開かせるプロである彼女はメディアや企業のトップに働きかけ、NASAに対する国民の関心を向けさせる。

しかし時には行きすぎた宣伝を繰り広げる彼女のやり方を非難する、真面目で堅物な発射責任者コール(チャニング・テイタム)。

2人は対立し何度かぶつかり合う。しかし互いの過去を語り合ううちに、理解できない行動をとる相手の背景を段々と理解していく。そしてやがて、共通の目標である宇宙飛行に向け、協力しあうようになっていくのであった。

という王道ストーリー。

やり手の怪しい女、という役柄はスカーレット・ヨハンソンにぴったり。そして次々と衣装変えするカラフルな60年代ファッションは、目の保養でめちゃくちゃ可愛い。カービーなスタイルとも相まってとても映える。

演技力もある女優であるが、何より華がある。色気があるし、なんというか少し崩れたような、おきゃんな魅力がある。

だから「マリッジ・ストーリー」とかの正統派なストーリーより「ジョジョ・ラビット」とか本作のような癖のある役柄の方が彼女の魅力が生きる。

本作は彼女の魅力を堪能できる、ファンには堪らない作品である。

また、政府の高官役でちょこっと登場するウッディ・ハレルソン。これまた、いい味出してる。良い映画って脇役まで完璧なんだよなー、としみじみ思う。

宇宙飛行機が飛び立つシーンではスクリーンの人たち同様、思わず手を合わせて成功を祈った。やっぱり宇宙はロマンがある。

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