映画感想文「生きる LIVING」今ひとつ惜しいと感じた作品
映画作りは綿密に計算されてる。
だから、最近公開作品はいずれもそこそこ観るに値するレベル。なんだけど、その中に、時々惜しい!と思う、良い作品がある。
感動するはずのストーリー。名優も出演。悪くはない、いや、むしろいい作品のはず。なのに、今ひとつ心に響かない。
この作品は私にとって、そのようになんだか惜しいと感じた映画であった。
なんでかなと、考えてみると2点ある。
ひとつは主演のビル・ナイツ演じる公務員ウィリアムズがカッコ良すぎる。情けないといってもビシッとしたスーツで出勤するイギリス紳士の姿は、古臭いところはあれど、元になってる黒澤明監督の本作の志村喬主演と比べると洗練されすぎてて、その後のギャップが響きにくい。
二つ目は価値観の変化。余命を宣告された人が何をするか。もちろん仕事に生きるのもひとつの選択だが、今どきそんな人は少ないと思う。だから1952年に公開された黒澤明の名作をそのままなぞってはさすがに古い。70年も経っているのだ。もう少しアレンジとか冒険が欲しかったところだ。
以上勝手な主観の呟きであることをご了承いただきたいが感想である。
むしろ駄作ではなく、ちょっと惜しい状態なので、もったいないと感じる。
そんな映画は他にも結構ある。
きっと、映画会社がいろいろ事後分析してるんだろうけど、やっぱりセオリーあっても感動を呼び込むのは難しいよねと感じる。でもそこが、エンターテイメントの、面白さでもある。
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