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映画感想文「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」大人向けアニメ。まるで昭和史をみた思い

戦争で負けた日本。

心身ともに傷だらけのまま、今度は経済発展という戦いに国民総出で邁進する。そんな、昭和31年の日本が舞台。

ガタゴトと進む夜行列車、肺を病む咳き込む人、小さな村の古い慣習、人権なんてない無法地帯、所構わずピースを燻らす男達。そんな昭和が延々と出てくる。

まるで、松本清張の小説みたいだ。

そう、今よりもっと暗く不自由な日本。

そこを舞台に、ゲゲゲの鬼太郎誕生の秘密を描くアニメ作品。

結論からいうと、かなりの力作。今からでもすぐ、劇場に観に行くことを全力でおすすめする。

11月公開映画でノーマークであったが、評価高く興味持ち、恐る恐る視聴(ホラー苦手なんで)。映画館は若者中心に満席に近い盛況ぶり。

いやー、これは観て良かった。

2人の男のバディもの。お互いに影響与えあう、その関係にも胸熱な箇所は多い。しかし何より感じたのは、図らずも昭和史をみた。という思いである。

戦後日本が泥々の状態からこうやって復興を遂げてきたんだなと。それぞれの思いが(間違ってる思いも含め)切なかった。こういう暗く熱い時代があって、今がある。しみじみ感謝したい気持ちになった。

きっと、もう一回観る。

PG12(12歳未満の視聴は親の指導が必要)だが、もっと大人向けの内容。子供にはちと刺激が強すぎる。大人にはおすすめ。

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