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映画感想文「熱のあとに」仲野太賀はやっぱりすごい。新人監督の意欲作

仲野太賀がやっぱり、すごい。

そこら辺にいる平凡な気のいい、エビとロブスターの違いもわからぬ男、にしか見えない。この人、やっぱりできる俳優だ。

武者修行みたい。

なんでも出てるワーカーホリック気味の仲野太賀と水上恒司(こちらは本作では登場場面少なし。この露出度でも出るんだ)に驚く。

余計なお世話だが、ここまでいろんな作品に出ないでもいいのではないか。しかし、その熱心さに俳優としての本気度を感じ、好感が持てる。

さて、話を戻し本題に入る。

実際に起きたホスト殺人未遂事件にヒントを得たという、新人監督の作品。

愛するホストの隼人(水上恒司)を殺そうとした沙苗(橋本愛)。服役後に健太(仲野太賀)とお見合い結婚。過去も全て分かった上で受け入れてくれる健太との暮らしは幸せだったが、満ち足りない。

そこに現れた、近所に住む足立(木竜麻生)。そこから健太と沙苗の歯車が狂い始める。一体彼女は何者なのか‥。

演出とか脚本とか、意欲的なところが素晴らしい。

しかし、登場人物たちに何度も「愛とは‥」「私の愛は‥」などと語らせるところが、くどい。愛というセリフなしに、もっと脚本や演技で語って欲しかった。

また明らかに伏線とわかる長回しも、ちと、くどい。

そして、終始死んだような目で平坦な演技を続ける橋本愛。イラつきを覚えるレベル。が、これは逆に演技が上手いということなのかもしれない。

ちなみに、ラストの演出はとても好きだ。

いろいろツッコミどころはあるが、荒削りながら歯応えある、味わい深い作品。

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