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映画感想文「Passages」日本人向きではないが、3人の俳優の力量が凄い。

自分勝手なメンヘラ男、でも魅力的。

そんなバイセクシャルの彼(フランツ・ロゴフスキ)は映画監督で芸術家。長年付き合ってる同性婚相手(ベン・ウィショー)がいるが、倦怠期。

でもって、パーティで出会った女(アデル・エグザルコプロス)と突然、できてしまう。

その後の反応がすごい。

あれ?女とやるのって新鮮だわ。みたいにお花畑状態になってしまい、舞い上がった挙げ句、同性婚相手にそのウキウキを楽しそうに話すのだ。

まるで幼児がお母さんに甘えるみたいに、僕ね、僕ね、って感じで。

あり得ない愚かさ、あり得ない子供っぽさ。

でも困ったことに、こういう人って魅力的だ。

欲望を全開の子供の前に、大人は無力だから。

苦しめられる同性婚相手の彼。そして散々振り回した後に今度はまた彼女とうまくいかなくなると、「やっぱり男が好きだわー」と、戻ってきて甘える。

次に苦しむのは彼女の方だ。

こうやって、2人の人間を散々振り回し、行ったり来たりする愚かな男。1人では生きられなくて、でも何の責任も負いたくないからフラフラしてる。

もはや笑えるくらいの子供っぽさ。

ため息が出る。

てことで、どうしようもない男に振り回される男女のお話。振り回される方は割と理知的なだけに辛さ倍増。でも人って違うタイプに惹かれるものだよなー。

よくありそうな話ではあるが、3人の演じ手がいずれも魅力的で、その力で最後まで物語を引っ張る。

俳優の力って、素晴らしい。

セクシーというより肉弾戦くらいの勢いでベットシーンがすごくて、付き合いたてのカップルでいくと気まずくなること間違いなし。

東京国際映画祭で視聴。この手の映画は日本で上映されるかどうかは怪しいとみた。

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