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2023年公開の新作映画Best10

映画館で映画を観るのが好きだ。

見知らぬ大勢の人達と、息を呑んだりため息をついたり、笑ったり涙を拭ったり、空間を共にする。全員が友達のような、不思議なシンパシーを感じる。

2023年は映画館で178本の映画を観ていた。

多くの作品から気付きや癒しや勇気をもらった。だから順位を付けるのは難しい。が、記録として残そうと思う。

来年も沢山の素晴らしい映画と出会いたい。

■勇気や希望を与えてくれた映画Best5
【5位】アナログ
上品で温かく柔らかい。そんな女性を演じる波留が美しい。凡人を演じる二宮和也も良い。ビートたけし原作。大切なことは何か。おとぎ話だとわかっていても、こんな優しい世界を信じたい。


【4位】ウィシェフ!
孤独に生きてきた一匹狼のシェフが不法滞在の少年たちに料理を教えることで自らも救われていく。料理を通じて自信を付け自活する力を付けていく少年たちの変化が素晴らしい。互いに救われる関係が良い。




【3位】AIR
バスケのことは全く知らない。そんな私でも「エア・ジョーダン」は知っている。その誕生秘話。1985年、崖っぷちのナイキバスケ部門の立て直しに呼ばれたスカウト担当ソニーは、NBAにも未出場の新人マイケルを見出す。歴史はこうやって作られる。ワクワクするお仕事ドラマ。



【2位】ウォンカとチョコレート工場のはじまり
周囲の悪意をものともせず、自分の描く世界を実現させようと真っ直ぐに進むウォンカの姿が素敵だ。少年性を持つティモシー・シャラメのよさが全開。また華やかで美しい画面や音楽にも癒される。大人も勇気をもらう。



【1位】BLUE GIANT
上原ひろみの演奏が素晴らしくてまるでコンサートのよう。ジャズで一流を目指す青年3人の18歳の1年が胸アツで心にグイグイ響く。思わず涙する青春ポイント満載で老若男女誰がみても楽しめる。




■不都合な真実に目を向けさせてくれた映画Best5
【5位】バービー
見ないようにしてきた現実を明るくディスる内容が笑える。かなりパンチある、風刺の効いたコメディ。バービーの時代を生きてきた年代としては、人ごとと思えず。大いに笑い、ちくりと胸が痛み、泣けた。



【4位】聖地には蜘蛛が巣を張る
敬虔なイスラム教徒であるサイードは「街を浄化する」という犯行声明のもと、16人の娼婦を殺害する。犯行そのものもおぞましいが、もっと酷いのが、宗教的な戒律や道徳観を背景に彼を英雄視する人々が数多く存在したことだ。マッチョとはどこからくるか、考えさせられる。



【3位】帰れない山
幼い頃から30年を寄り添ったり離れたりしながら別々の道を歩んだふたりの男の物語。自分とは異なる価値観や考えを持ち、愛しているのに時にわかり合えない。人は孤独だ。愛していても立ち入れない領域がある。それでも愛する人がいることが心を豊かにする。



【2位】ロストケア
弁護士の長澤まさみと介護士の松山ケンイチの熱演に圧倒される。何が正義か、考えさせられる。それぞれの正解があるが、相対的な正解はない。自分なら何を選択するか、あれからずっと考えている。



【1位】怪物
坂元裕二の脚本がとにかく、凄い。主演の少年ふたりも、安藤サクラも永山瑛太も田中裕子も圧巻。そして音楽は坂本龍一。才能が集結したらこんなに凄い作品になるんだ、と。怪物だーれだ。私もあなたも例外ではない。




■番外編
『エゴイスト』
鈴木亮平と宮沢氷魚が出色の出来。ちょっとした目線、ため息、声の震えで、感情の機微を雄弁に魅せる。 また、阿川佐和子が女の脆さと強かさを全身で体現し、強い印象を残す。 それぞれの愛し方が胸に響く。

『窓ぎわのトットちゃん』
原作は40年前に書かれ800万部のベストセラーとなった黒柳徹子の自伝。無邪気な子供達の成長とそこに陰を落とす戦争のコントラストが見事。実写でなくアニメだから描けたリアルさを感じる。

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