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映画感想文「HOW TO HAVE SEX」タイトルからの想定とは異なる真面目な問いかけ作品

最初に言っておく。

この映画はタイトルから想像するようなシーンはほとんど出てこない。割と真面目に、若者の未熟さと同調圧力と性暴力について問いかける作品である(変な期待を持って映画館に行かぬように、期待値調整の為に記載しておく)。

16歳のイギリスの女子高生3人。夏休みのバカンスでギリシャのある島へやってくる。そこは若い男女が出会いを求めて集まるリゾート地であった(日本でいうと1980年代にナンパの聖地であった、伊豆諸島の新島みたいなものか)。

羽目を外す気満々でやってきた彼女たちは、朝から酒を食らうわ、布が少ない扇状的な服装で練り歩くわ、隙だらけである。

そしてバージンを捨てようと躍起になる。私だけまだ未経験なんて恥ずかしい、という若い時にありがちな「みんなと同じじゃないと遅れをとる」という思い込みからくる焦りである。

そして出会ったばかりの男性グループと遊び歩く。

辛口は叩くものの少し年上の余裕か、彼女たちの挑発に最初は乗ってなかった男性グループの男たち。

しかし空気に飲まれ次第にそんな感じになってくる。そしてことが終わってからの後悔(男女共に後悔してる風だが、特に女性の方にそれが強い)。

結局どちらも後悔してる。更に相手が後悔してることが見えるため、それは追い討ちをかけるように萎える事態となってしまう。ということで、2人ともにブルーである。全く幸せそうではない。

そしてわき起こるのは、「同意の上か否か」問題。これは本当に何が正しいか、判断が難しい。多くの芸能人がこのトラップにかかっているのを見てもわかるように、正論は危険である。当人も判断できない場合も多いだろう。特に若い場合は、そりゃ判断つかないだろう。そんな年齢ではない。そもそも16歳なんて「合意した」という理屈も通じるわけもない。言語道断である。

なので、年齢も含め、同意かどうか判断できない相手を選んではダメである、ということに尽きる。

今も昔も、若者は男女問わずこんな感じにはしゃぎまくるものだと思う。そしてその場の空気に飲まれてしまうこともあるだろう。だからこそ、加害者になってしまう男性は気をつけるべし、である。

そんなことをしみじみ考えさせられる内容であった。

ということで、タイトルとはそぐわない真面目な問いかけ映画であると感じた次第である。

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