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スターアップ1→10戦記①〜まずは傾聴して戦況の様子を可視化する〜

最近ジョインした会社で、僕はいま、徹底的なヒアリングに徹しています。

とある台湾の会社の役員になったのですが、日本現地の社員は僕1人。もちろん台湾チームがサポートしてくれていますが、僕が1人特攻隊として戦場に立ち向かわなければならない。

こんな状況ですが、数年後に日本での上場を目指そうとしている。

成長のドライバーとしての僕の責任は当然重く、勝つか負けるか、すべてはこの特攻隊員である僕にかかっています。

まず僕が取り組んだことは、徹底したインタビューです。

自分たちのサービスの説明はしません。業界著名人の方々を中心に、いま何が課題なのか、どんなことに向き合っているのか。なるべく
バイアスのかからない形で聞き出していきます。

コロナの状況でどうなっているのか、何がいま目の前で必要なのか、テクノロジーとどう向き合うのか。あらゆる角度から深掘りします。

最低10人以上は聞き出すことを推奨します。僕の場合、6/8から19の2週間で15人にインタビューを実施しました。そして、その全てを録音し、メモして、台湾チームに共有しています。

次に、たくさんのメモのなかから、共通項を導き出します。最初に自分の中で「このサービスはこうあるべきだ」という仮説をもち、1人のインタビューを終えるたびに自分の中の仮説をブラッシュアップしていきます。

そうすると、どんどん戦場の様子が鮮明になっていきます。最初は大将がどこにいるのかわからないのですが、だんだんとルートがはっきりしていきます。

これを何回も繰り返していると、最終目的地である大将の居場所を突き止めることができます。

ちなみに僕らのサービスの場合、その最終目的地は「顧客理解」でした。

インタビューを重ねていると、最終目的地が見えると同時に、その道筋もある程度可視化されていきます。

山で例えるなら、登るためのルートですね。AからDまでルートがあり、ルートごとに特徴があります。企業課題は様々なので、どういう訴求をすべきか、そのルートに合わせて細分化していきます。

このフェーズで重要なのは、大将の居場所を確実に捉えることです。どうしてもルートばかり気になってしまうと思いますが、大将の居場所を誤ると、後戻りはできません

また、結構大切なポイントとして、誤って少将や中将を大将と見誤ることもあります。これが最も危険です。

たまに、影武者がいます。影武者はいかにも大将のように振る舞います。本物の大将を捉えるには、やはりいろんなインタビューを重ねて、本物か偽物かをきちんと判断する必要があります。

僕の場合、最初「偶発消費体験」ということを大将にしていました。一度大将だと勘違いすると、なかなか自分の意見を否定することは難しいので、自分自身で抵抗する意識がありました。

絶対これに違いない!そう思っても、とにかく疑うべきです。疑って疑って、それでもやはりそれしかない!と思ったもの。それが大将です。

インタビューを8人くらい終えた段階でも、僕は「偶発消費体験こそが大将だ」と思ってました。しかし、疑問に疑問を重ねていくと、それは単なる一つのルートであることに気づきました。影武者だったのです。

自分の中の軸を持つことは大切です。しかし、その軸に疑問をもつことも、もっと大切です。繰り返しますが、自分の意見を否定することがもっとも難しいことです。そこはプライドとアイデアを捨てて、真に顧客目線、市場目線で考えることが大切です。




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