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マーケティングとセールスのKPIを同じにした方が良い理由

よくあるB2Bの現場

「俺たちがリードを取ってきても、営業が全然動いてくれない!」

「リードの質が悪くて、全然営業活動に結びつかない!」

よくあるB2Bの現場の話。

この紛争を解決するために、ミーティングを増やして情報連携を強化したり、仲良くなってもらうためにオフ会を開いたり、お互いの良いところを言い合う会を設けたり、そんなことが繰り広げられているようです。

で、「どうすればいいですか?」という相談がくる。

マーケのKPIとは

この紛争が起こる理由。それはKPIの問題です。

マーケはリードの獲得数、またはMQL>SQLへの転換。営業はそれらのリードからの契約数。大きくいうと、「リード>MQL>SQL>商談>顧客」このファネルの前半がマーケで、後半が営業という風に分かれています。こうやってファネルごとにKPIを設定しているため、「どのファネルに問題があるんだ!」という風になる。やがて、犯人探しが始まります。

想像してみてください。

そもそも、(B2Bにおける)マーケティングの組織とは、何のために存在しているのでしょうか?

一言で言えば、「契約をとるため」ですよね?

固定概念、これまでの慣習、そういったものを一度まっさらな状態にして、もう一度シンプルに考えてみてください。

マーケは、営業活動そのものではないでしょうか?

もちろん「仕組みづくり」であるマーケと、「交渉」としての営業は、まったく役割も必要なスキルも違います。

でもそれって、「既存営業」と「新規営業」と「アカウント営業」も同じですよね。同じ営業にだって、それぞれ役割も必要スキルも違います。

重要なことは、「その活動が何のために行われているのか」ということです。

1:契約前・・・契約を取りに行く活動

2:契約後・・・契約を維持・クロスセルする活動

シンプルに、こういうことではないでしょうか。そして、よくある役割は、それぞれ以下のように配置されます

1:契約前・・・マーケティング・営業(インサイド & 新規)

2:契約後・・・カスタマーサクセス・サポート・営業(既存&アカウント)

つまり、マーケティングと新規営業はファネル(役割)が違うだけで、同じ目標を追い求める仲間なのです。

協力してこそ組織

ここで、「いや、マーケは既存のクライアントも面倒みるじゃないか」という反論があるかもしれません。既存顧客フォローのためのイベント、セミナーなども開催しますし、「そういうのはマーケは無視していいのか?」というクレームがあるかもしれません。

もちろん、誰も無視して良いとは言ってません。協力すべきでしょう。

ここでさらに、「彼らの評価設定から外れるタスクをやらせることになる!モチベーションはどうやって保つんだ!」と息巻く人が出てくるかもしれません。

ここまでくると、もう「組織だけを見る、仕事できない人」というレッテルを貼られてしまうでしょう。

逆にいうと、KPIを設定したとき、それ以外の仕事は「しなくてよい」という裏返しなのでしょうか?そんなこと、もちろんありません。

僕だったら、そもそもそういう後ろ向きなスタンスの人は採用しません。「協力」とは何のためにあるのでしょうか?

自分のKPI以外のKPIを助けるから、「協力」なのではないでしょうか。

KPI以外のタスク、役割を定義するなら、一言で済みます。それは、

「協力してね」

以上です。

新規にフォーカスすべきマーケ活動

さて話を戻しましょう。

結論からいうと、営業とマーケティングは「契約」という同じKPIを追うべきです。なぜなら、マーケティングは「何をみてマーケティングするか」という論点にもつながりますが、マーケティングで重点をおくのは、あくまで「新規のターゲット」「新規の市場」です。

ここが実は最大の誤解なのです。

カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)という言葉がありますが、既存顧客のフォローが重要だ!という考えのもと、ずっとその業務のことを考えていると、「マーケは既存のフォローが重要だ」と思うかもしれません。

しかし、B2Bの世界では、圧倒的に「新規」にフォーカスを当てるべきでしょう。

誤解をしないでください。「既存」をないがしろにしろと言っているわけではもちろんありません。「既存」は、カスタマーサクセスチームが中心にチームを構成するべきです。

もしあなたの企業が上場を目指したい、あるいはそれ相応の成長をしたいと考えているのであれば、B2Bにおいては、「市場・顧客の拡大」こそが正義です。なぜなら、大多数のB2B企業が狭い分野で戦っているため、いくらでも外にターゲットが広がっているからです。

ある程度のパイを取り切ってしまったら、成長するには次のターゲット業界を探すしかありません。そのサイクルが、B2Cよりもはるかに早く、狭いため、「新規ターゲットの認知拡大とリード拡大」こそが重要なのです。

しかし、単に「広告打ちまくって認知広げまくった」だけでは、それこそ営業に「個人アドレスばかりじゃないか!」と叩かれます。

重要なことは

ターゲット市場において、その市場の認知を獲得し、契約を得ること

です。この「ターゲット」「認知」「契約」が3点セットになっていないと、マーケティング活動とは言えません。

だからこそ、マーケティングも「契約」を追うべきなのです。

そうじゃないと、自分たちだけでPDCAは回せません。契約までのプロセスをしっかり監視すること。それがマーケティングの役割です。

さて、ここまできて、何となくお分かりいただけたと思います。

セールスとマーケティングは、実は同じ役割であり、ただ名前と役割が違うだけの、「ターゲット獲得活動部隊」の、同じチームなのです。

部署名をつけるとしたら、「Sales & Marketing Div」ではないでしょうか。

そして、役職的にはこうなります。

SalesはCSO (Chief Sales Officer)がみて

MarketingはCMO(Chief Marketing Officer)がみて

その全てを束ねるのがCRO(Chief Revenue Officer)です

まあ、部署名や役職はどうでもいいとして、大事なのは、一つの組織としてしっかり統率とってみていくことです。

同じ「契約」を辿って、良い組織を作っていきましょう!

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