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育休中に人生初のリーダー経験をする

子連れMBAでは、育休中も子連れでボランティアとして運営に参加することができる。さらに、ボランティアでも手を挙げればリーダーを任せてもらえる。私は恐る恐るリーダー募集に手を挙げた。

それまでの私

私が育休に入ったのは、当時30歳で、一人の女性としては適齢期と言われる時期に出産を迎えることができた。
一方で、会社では若手でありながら中堅社員として役割を期待をされる、かといって、管理職にはまだ早い。所謂、仕事ができる、できないに差がつき始める居心地の悪い時期だった。

いつか管理職になって、チームをまとめて導くリーダーになりたい。
心のどこかで強いリーダーへの憧れを持ちながらも、何も行動を起こさず、言われた仕事をこなす自分に嫌気がさしていた。
多分、このまま仕事を続けても、なりたい自分にはなれない。そう気が付き始めていたが、社内で何をどうアクションを起こせばいいのかわからなかった。
そして、毎日は流れるように過ぎていき、29歳の時、妊娠が発覚した。

妊娠してもまだ10ヶ月ある

妊娠という人生のステージに立ったからこそ、残された会社生活のことを本気で考えられた。
ぼんやりとリーダーになりたいと思っているなら、今、自分にできることは何なのだろう。

管理職試験の勉強をすること?
社内人脈を広げること?
目の前の仕事をやり遂げること?

全部大切なことだろうが、数ヶ月もすれば、会社人生のキャリアは中断される。

とにかく私は焦っていた。

後悔せず産休に入るため、一層、仕事に力を入れたし、新規部内PJの立ち上げにも尽力した。

しかし、自分のなりたいリーダーへの道のりは不明確な状態で産休育休に入った。復職した後、どれだけ会社で活躍できるかわからないので、私がリーダーになるのは、もう少しお預けなのかもしれない。

子連れMBAの運営リーダー

育休中、子連れMBAに出会い、運営メンバーに参加する中で、リーダー募集の告知を見つけた。
リーダーといっても、条件もなく、手を挙げれば誰でもなれるボランティアのリーダーだ。
会社の管理職試験に合格し、社内推薦で任命されるリーダーとは違う。
別に、自分のキャリアにおけるリーダー経験には、足しにならないかもしれないと思ったが、少しでもリーダー経験ができるなら自信をもって復職できるような気がして勇気を出して手を挙げた。 

すると、想像以上に得られるものがあった。
むしろ、ボランティアのリーダーを会社のリーダーより格下に見ていた浅はかな自分を悔やんだ。

多種多様な異業種のメンバーが集まる中、完全にフラットなPJ型組織でリーダーという役割を全うすることは、真のリーダーシップとマネジメントスキルが試されることとなったのだ。

ちなみに、子連れMBAのボランティアメンバーは、普段から自己研鑽する勉強家ばかりで、本当に優秀な人ばかりだった。外資系企業の人もいるし、大手企業の人もいるし、ベンチャー企業の人もいた。


上司とリーダーの違い

まずはじめにつまずいたのは、上司とリーダーの違いだ。社内では上司=リーダーだったが、一般的に、リーダー=上司とは限らない。
気合の入った私は、勘違いして、ボランティアメンバーを前に、上司がやっていたマネをしていた。
チームの目標を立てて、個人の目標を宣誓させる。
今、振り返ると、自分は痛かったかもしれない。個人の目標を宣誓させるのは、リーダーとしては、やりすぎだ。 

リーダーとリーダーシップの違い

リーダーは役割であり、リーダーシップはリーダーは勿論のこと、チームの全員がとるもの。

そんな認識でリーダーをしていたが、リーダーがとるべきリーダーシップとメンバーがとるべきリーダーシップは違う。

私に求められるリーダーシップは、一人一人の技術、意欲、自信を見て、一緒にチーム目標を達成できるように鼓舞して支えること。
それなのに、私のリーダーシップは、メンバー構成員として「自分の価値観に基づいて行動すること」という子連れMBAのクレドだけを信条に動いていた。

だからというわけではないが、一人のメンバーが介護を理由にボランティアを辞退してしまった。リーダーが相手の意欲を見て、なにか違和感があれば、すぐに気が付いて、個人の事情を言いやすい環境を作れたら良かったのだが、私はそれができなかった。

そして、自分がリーダーを務める時に、メンバーが辞めていくのは、物凄く寂しくて辛いということを体感した。

リーダーとマネージャーの違い

マネージャーはマネジメントをする。
リーダーは未来を見せて、適宜マネジメントもする。

そんなイメージだった。

社内では、ポストの調整もあり、プレイングマネージャーやサブリーダーやサブマネージャーなど名称が色々あって、役職と役割が曖昧だった。

子連れMBAのリーダーは、役割の線引きをするほど人員に余裕がない。

リーダーとマネージャーの違いを議論するよりも、PJを成功させることが重要で、とりあえずマネジメントスキルが必須ということは分かった。
子連れMBAのメンバーの中には、プロジェクトマネジメントのプロもいたので、大いにテクニックやコツを教えてもらった。

私の考える「マネジメント」とは、「簡単にわかりやすくすること」。
本当に子育てと似ていた。

自己管理しながら、家族の管理もする。
分かりやすく伝えないと相手は動けない。

とりあえずメンバーにタスクを振って、そのタスクの進捗を確認し、全体のバランスをみてみる。

それだけのことなのに、

タスクの分配がこれでいいのか?
本当にこの進捗で間に合うのか?

かなり不安になった。

コミュニケーションが大切ということは、今まで色んな場面で聞いてきたが、実感として、これほどコミュニケーションが大切だと痛感したことはなかった。
タスクを振った以上、相手を信頼するしかないが、どんな小さな事でもいいから、タスクに不満があれば言って欲しいし、ホウレンソウしてもらいたかった。

今まで会社の上司には、相手が忙しいだろうからとホウレンソウは最小限で、スマートなコミュニケーションを心掛けてきたつもりだったが、上司は話しかけられるのを待ってる生き物だと今なら分かる。当時の上司には、ごめんなさい。。。

ファシリとリーダーは違う

ファシリテーションとは、会議などで司会を務めて会議を円滑にする役割のことだが、リーダーにもこのスキルが求められる。

子連れMBAのリーダーは、打ち合わせでファシリテーションを行いながら、意思決定もリーダーとして行う。
最終的な意思決定はリーダーが行うが、メンバー一人一人の意思表示としての意見はきちんと聞く。

決めないと決まらない答えのない問題も出てくる。メンバーのアイデアも様々だ。
そんな時、ファシリテーションスキルと意思決定スキルがあれば、もっとリーダーとして頼もしく決断できるだろう。今の私にはまだそれらのスキルが足りないと感じた。

たかがリーダー、されどリーダー


本当に子連れMBAでリーダー経験をさせてもらってよかった。PJ期間における1.5ヶ月は、毎週のようにミーティングをセッティングして、タスク管理や自分自身のタスクに追われていたが、確実に視座が上がったと思う。
なりたいリーダーの姿は、まだ遠いが、一歩近づいたはずだ。

ボランティアとはいえ、リーダーという憧れの役割をいただき、活動するにあたって、プログラムディレクターがこっそり裏で支えてくれた功績も大きい。
子連れMBAは、ボランティアリーダーにタスクを丸投げすることはなく、最初から最後まで私をリーダーとして育てようとしてくれた。

どんなに講座を受講しても経験には敵わない。

ボランティアをしたことで、経験という財産が与えられた。子連れMBA、ありがとう!!

最後に…こんな私のリーダー初経験に付き合ってくれて温かく見守ってくれた仲間には感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました!

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