【原文ドイツ語の双極性障害関連記事】(4)双極性障害の人たちは頭がいいの?

双極性障害のエピソードは脳の体積を狭めるだけではなく、知能も低下させる可能性があると言われている。例外なく、すべての双極性障害の患者は、躁状態と鬱状態のエピソードを繰り返すことによって、脳の中の灰白質がダメージを受けることがわかっている。

これは、躁と鬱が交互に現れる双極性障害を患う21人の患者を対象にした研究結果だ。4年間の観察期間中、躁と鬱を1~6回繰り返していた患者の脳を1年目と4年目にMRIで撮り、その脳画像を調べた。すべての双極性障害の患者において、側頭葉と小脳における灰白質が一般の被験者に比べて縮小していた。この部分は、記憶と運動調節の機能をつかさどっている。

この4年間の研究で、双極性障害の人で複数のエピソード(躁と鬱の繰り返し)が起きていた人をそれぞれ比較すると、灰白質の大きさに、大きな違いが見つかった。「これは、エピソードの数が大きく関係していると思われます」と、エディンバラ大学のアンドリュー・マッキントシュ氏は述べている。

どの人も例外なく、時と共に、脳が退化(減少)していくが、ある特定の精神疾患(統合失調症やアルツハイマーなど)を抱えている人々では、より早く脳が衰えていく。そして、そこには双極性障害も数えられるようになった。

コペンハーゲン大学のラルス・ケッシング氏によると、研究者らは以前から、双極性障害を発症すれば、同時に灰白質をも失っていくという予測を立てていた。そして、それは正しい予測だったのだ。

【言語能力】

エディンバラ大学のマッキントシュ氏は、灰白質の喪失と言語能力の関係を調べてきた。灰白質の喪失が認められると、被験者である双極性障害の患者の言語能力も同じように低下した傾向があったことが認められた。言葉を組み立てることや、言葉から想像をすることに関しての能力が低下したのだ。しかし、マッキントシュ氏は、この結果は統計的に見て、顕著な現象ではなかったと述べている。対象人数が21人というのが、少なすぎたと思われる。

灰白質は、早い段階から、知能との関係があると言われてきた。

マッキントシュ氏は、これらの現象が薬の投与で変化するかどうかも研究した。多くの場合、双極性障害の患者は、リチウム、抗うつ剤、抗精神病薬を投与される。「灰白質の減少に、これらの薬は特に影響しないようだ」と、マッキントシュ氏。しかし、薬が脳へ全くの影響を及ぼさないということではないと付け加えた。

薬の投与は、躁鬱エピソードを減少させる効果があり、脳内の傷を見ると、非常に重要な役割を果たしていることが分かっている。

「この研究結果を見る限り、薬の研究を進めることが、躁鬱エピソードを起こさせないようにする鍵となることを示しています」と、ケッシング氏も同意を示した。

2007年11月2日 カタリナ・サンダーソン(記事執筆)

(翻訳 by 双極さーちゃん)

出典: https://www.tagesspiegel.de/wissen/bipolare-stoerung-manische-stimmungsschwankungen-koennen-graue-hirnmasse-zerstoeren/1010322.html

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