見出し画像

初めて心を動かされたディズニーランド

ディズニーリゾートに対して思い浮かべることは何だろう。
それはきっと、シチュエーションや立場によって変わってくると思う。

先日、家族3人でディズニーランドへ行った。
ディズニーリゾートに足を運ぶのは、息子の1歳の誕生日の時以来なので、約2年ぶりである。
その時に親という目線で初めて触れた体験があった。
それは期待を裏切らない、とても素敵なものだった。

■2歳児が、大人しくなんて、してくれるはずがなかった。

 前回は3人でディズニーシーへ行った。その時の息子は、まだ自分で歩くことも、自我の目覚め(俗にいう、イヤイヤ期である)もなかった。
ベビーカーに乗って、抱っこで乗れるものに乗る。
 見知り、場所見知りをする息子なので、常に抱っこを要求されたり、ベビーカーから降りようとしなかったり。
そのため、移動やアトラクションへの抵抗感はほとんどなかった。
正直、思っていたよりもはるかに楽だったように感じている。

だが今回は違う。

息子は前回よりも、より自分の意思をもった一人の人間にレベルアップしたのだ。
そして厄介なのが、まだその意思を自分でコントロールができないのだ。

まさに「子連れディズニーの大変さ、ここにあり」である。

広いパーク内を、なにかから解き放たれたように自由に走り回る。
帽子を買いに入った店の中で始まる、追いかけっこ(なお、追いかけっこと思っているのは息子だけ。)
乗ってほしい思いとは正反対に、押したがるベビーカー。
「パン食べる!いやだ!!食べない!!!(これがいちばん理解に苦しんだ)」

甘かった。想像を超えていた。
親子でディズニーなんて、みんな行っているから何とかなると思っていた。

お昼を迎えた段階で、すでに親のHPは0に近かった。


▪️キャストさんの行動に、救われた

 ディズニーの特別な空気に息子も慣れ、パレードを見たり息子でも乗れるアトラクションに乗って時間を潰した。

 翌日は平日だったので、休むことも考えて夕方にはパークを去ることにしたのだが…。

「帰らない!!抱っこいやだ!ベビーカー乗らない!!」

はじまった…。しかも今か…。
昼前の段階でHPが0の私たちは、なす術もなく途方に暮れた。

気持ちが高揚して昼寝もしておらず、1日を通して刺激もたくさんあったからか、疲れと眠気が溜まっていたのかもしれない。

頼みの安心タオルも投げ捨てられ、いつも一緒のダッフィのぬいぐるみも拒否され、終いにはパーク内で旦那と息子の追いかけっこが始まってしまった。

私は乗客のいないベビーカーを押しながら、どうしようどうしよう…と考えるが何も浮かばない。
この状態になったら、落ち着くまで待つしかない。

もう花火までいるしかないのか…
その時だった。

レストランの入口にいたキャストさんが、息子に声をかけてくれた。

「お兄ちゃん、誕生日なの?おめでとう〜👏元気ですごいね!」

そう、この日は息子の誕生日も近かったので、バースデーシールを胸に貼っていたのだ。
これを貼っていると、パーク内のキャストさんからおめでとうと沢山祝ってもらえる特別なシールである。

そしてなんと「お姉さんからも、贈り物をあげる!」と
コック姿のミッキーのシールをプレゼントしてくれた。

話しかけられた時は驚く息子だったが、
シールのプレゼントに目がキラキラしていた。
私たちもその隙に無事にベビーカーに乗せることができ、キャストさんに心の底からのお礼を言いながら、パークを後にした。


▪️私たち家族にとっての、特別な場所


息子が産まれる前にも、旦那や友達とディズニーには何度も足を運んだ。
キャストさんの、演じ切る演技力の素晴らしさやホスピタリティは、十分に知っていたはずだった。

それでもこんなに心を動かされたことは、初めてだった。

「誕生日シールを貼っていたから。」

彼女にとっては、きっとそれだけの理由だったのかもしれない。
マニュアル通りのことだったのかもしれない。

でも、息子宛に送られたミッキーのシールは、私たちにとっても「1日お疲れ様でした」という"ご褒美シール"となった。

きっと親にならなければ知らずに終わったディズニーランド。
私たち家族にとって、特別な場所となったことは間違いない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?