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レスポンシブとバリアブルフォント「新しい技術:動的な文字組み、バリアブルフォント、やおよろずのデジタル機器」byジェイソン・パメンタル(日本語字幕付き)

ひきつづき昨年9月に開催されたATypI東京カンファレンスの講演動画に日本語字幕をつけた。パメンタルさんオライリーからの単著『Responsive Typography』もある、Webタイポグラフィのひとだ。数年前にバリアブルフォントが登場してからは、その可能性を現実のものとするために精力的に活動している。この動画ではそんな第一人者から可能性を概観する。

パメンタルさんの熱意にうたれた

ATypI東京の初日はワークショップデイということで、たくさんのワークショップが開催された。ぼくはそのうちのひとつ『バリアブルフォントを使ったリスポンシブでダイナミックなウェブタイポグラフィ』に「トレンドをキャッチアップできたら」くらいの気持ちで申し込んだ。その際に「あれ? PCとか持ち物に入ってないな」と気になってはいた。なにしろ終日のWeb技術のワークショップ。PCでの作業がないはずはないとおもったのだ。でも当日、その予想は完全にくつがえされた。パメンタルさんは丸一日ひたすらWebにおけるバリアブルフォントの可能性を解説しつづけたのだ。若干のコードもあったけど、ひたすらデモとトーク。参加者はWebのひともいれば非Webのひともいたけどみんなの質問にもせっせと答える。そして今回字幕をつけたのはワークショップとは別にその翌日におこなわれた講演だ。そこでもバリアブルフォントの可能性にみんなの協力をもとめている。

パメンタルさんはバリアブルフォントを成功させるために、2019年だけでも世界中18のイベントで講演している。昨年9月に話したときに「今年あと6つ行くんだよね」と言っていておどろかされた。たしかそのとき「今年全部で16回やるんだ」と言ってたけど増えている。「このために以前の仕事もやめたんだ」とも。すごい熱意に圧倒される。

補足すると、バリアブルフォントのようにフォントのウエイト・幅などの要素を、ユーザサイドに操作させる技術が登場したのは初めてではない。AppleのTrueType GXAdobeのMultiple Master(Illustrator 5.5くらいについてたよね)が過去に失敗している。2004年のATypIでは、当時Adobeの「中の人」だった「フォント探偵」ことトマス・フィニーさんこの失敗を分析する講演をしている。なので、今回の動画でパメンタルさんが「過去、たくさんの人がひどい目にあったことは知っています」と話しているのはこのことだ。でも、パメンタルさんはもとより、フィニーさんも今回はちがうとおもっている。実際タイプコミュニティはバリアブルフォントの話題でいっぱいだし、ぼくも今回はちがうのだと強くおもう。



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