2人の間をつなぐために

サーティーワンアイスクリームを頬張りながらケタケタと笑い転げていたあの頃、
私とその隣にいる友人との間にはいくつも共通するところがあった。

女子高生であること、同じ学校に通っていること、ゆくゆくは大学に進むこと、そのために予備校に通っていること、無事大学生になれたらいつかは彼氏がほしいこと、部活ではトップに立ってストレスではげそうなこと、同じ教師が嫌いなこと…

あげたらきりがないくらいには沢山、2人の間をつなぐものがあった。

それが今はどうだろう、
女であることくらいしか共通するところはないんじゃないかと思うくらい、違う景色を見ている。

隣に並んでアイスクリームを食べても、見ている景色がまるで違うことに愕然として味がしないかもしれない。

大袈裟じゃなくそんなふうに思う。

この返しって適切なんだろうか?もしかして傷つけてしまっていないかな、と思うこともあれば、
なんでそんなふうに言われなければいけないの、と思うこともしばしばある。

その度に見ている景色が違うのだから仕方ないと思いながらも、気分が晴れないのだ。

どうして一緒にいるんだろう、という考えが浮かぶことさえある。

きっとそう思うのは自分だけじゃなくて、かつて隣でアイスクリームを頬張っていた友人も、同じなのだろうとひしひしと感じる。

大人の友情がこれほど難しいと、20代後半まで生きなければ知ることはなかったかもしれない。


どうしたらいいのだろうと考えたときに、
今だからこそ、さまざまな人と出会って、話して、考えや思いを聞いて、色んな未来があることを知ろう、と思った。

隣にいる人が違う景色を見ていることを、自分の中で出来るだけあたりまえにしようと。

たとえあの頃隣にいた子との時間に、今なにかひっかかるものを感じているとしても、

そう遠くないうちに心のわだかまりが解けて、自然な気持ちで隣にいられるようになるだろうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?