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ペット葬(21歳愛猫との別れ)①

先日、思わぬ訃報が。
父母、3姉妹の5人家族の実家族の皆が愛でる21歳の愛猫が亡くなったと。

愛猫に対する個人的思いや、ペット禁止の我が家がペットを飼うことになった理由などなど積もる思いは心の中にしまい、今回は涙をこらえつつもサヨナラに向き合ったペット葬について書いてみたい。
とても貴重な経験となった。


我が実家と愛猫の関係性。

生まれてすぐの野良猫を、一人暮らしをする姉が引き取った。
事情で愛猫13歳から姉が育てられなくなり、姉は涙涙で悔しい思いをし愛猫は新幹線に乗って我が実家に引き取られた。決して動物嫌いのためのペット禁止令ではなかった実家では、気が進まなかった父も半年もたたずあっという間に恋人のように毎日愛情を注いだ。

地元にUターンして3年間実家で過ごした私も、初めてペットと暮らした。
家族の一員どころか愛猫中心ですべて行動する毎日にどっぷりつかり、幸せをかみしめた。

愛猫一人部屋を用意。
空調は1年中つけっぱなし。
トイレは各階に設置。
食の細い愛猫が少しでも食事をとるように餌場も数か所。
専業主婦の母が主であったが、父や私も誰がやると決めたわけでもなくトイレの掃除、えさや水の交換をし、甘えてくる愛猫をブラッシングした。

パソコンに向かえばモニターを遮りキーボードの上に座って邪魔。
ポテトチップスを食べれば「私にもちょうだい!」とポテチをつかむ私の手を猫パンチ。
抱っこが大嫌い。
母が鰹節をちらつかせればこたつで寝転がる私を足蹴にしていくような関係性であったが、夜になると私がベッドに入るなり足元の毛布を自分でめくり潜り込む。
そして夜中にトイレに立つと追いかけてくるのである。

そんな姿で甘えてこられると、頻繁な嘔吐や不機嫌な時のお布団での粗相も怒る気にはなれないほどメロメロだった。

3年前に結婚し実家を出る時も、今日から私と寝れないけどどうするの?不安になって病気なったりしない?と懸念したものの、すんなり父に甘えるようになり、安心とともに寂しさもあったり。
実家を離れるからには、いつか来る別れに立ち会えないだろうと覚悟はしたものの。


愛猫の訃報

その日は少し個人的にいい知らせがあり、報告のためにも少し実家に連絡を入れた。父母ともに確実に家にいる時間なのに連絡がつかず?と電話をかけようとしたところ、父からのラインで愛猫の死を知らされた。

数日前から急に体調を崩し、病院に駆け込んだ時には体内の血液の量が1/3位まで減っていたそう。点滴でだいぶ回復していたけれど、朝父親が出勤するのを見届けた数時間後にバタンと倒れこみ、駆け付けた母の腕の中で眠りについたそう。

愛猫は父が大好きで、毎日帰宅する夕方5時には玄関前で待機し、帰宅後手洗いうがいをして部屋着に着替える父の足元にまとわりつき、その日一番の大きな甘えた鳴き声で撫でてもらうことを日課としていた。その日も父は、帰宅後その日課に付き合うつもりだったのだろう。そう思うと、泣けてきた。

帰宅したら、もう亡くなって居るなんて。
昨日が最後の触れ合いだったなんて、自分なら信じられない。


ペット葬への心構え

元々飼っていた姉の意向を、父と愛猫の生前から相談していたらしくペット葬でお骨を取っておくことにしたそう。父がネットで検索し、地元の小さな葬儀屋さんが行うペット葬に申し込んだ。葬儀は二日後、土曜日だったので私は息子を夫に任せて参列させてもらうことに。

葬儀まで自宅で保冷剤を入れ、少しでもきれいなまま愛猫を火葬に向かわせてあげたかった。硬直していてもだらりと伸びる手足や柔らい毛が、まだ生きているかのようで実感がわかなかった。でも、決して抱っこさせてくれなかった愛猫が私の膝の上で丸くなり、ハリをなくしつつあるきれいな瞳の水晶体に「あぁ、もう生きてないんだな」と父母のいない場所で何度も愛猫を撫でて涙を流して別れを告げた。


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