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表舞台と舞台裏~『ミッキーマウスの憂鬱』を改めて読んで~

読書が苦手だった中学生の頃の私が、珍しく自分で買って読んだ文庫本。

確か当時読んでいたファッション雑誌のモデルさんが紹介していた本だったと思う。ディズニー好きなので、そのタイトルに、もの凄く興味を持ち、読んでみようと思ったのがきっかけだった。

物語の舞台は、TDLの所謂バックステージ。一応フィクションとなっているが、妙にリアルに感じられるポイントも多々あった。

「どこまでが本当…??」 

その答えは、今の私にも、正直わからない。

“物語の中”で、次々と「表舞台からは決して見る事の出来ない部分」が描かれる。

”夢と魔法の国”。キラキラした表舞台、TDL。

作品中の舞台裏には、それぞれの役割や立場から「ゲストの夢や笑顔を守るため」奮闘するキャストたちの姿がある。

作品の中で、新人キャストの主人公が言う。

「裏側は現実なんだってね。」

対立、喧嘩、身分差、縄張り意識、マニュアル通り、目に見える部分での熱量差……etc.

作品の中で描かれる、こうした舞台裏を構成する要素の一部たち。

それらを目の当たりにして、主人公は、

ゲスト目線で見ていた表舞台のキラキラ感が舞台裏にも広がっていると勝手に信じていたのかもしれない

と言う。

表舞台と舞台裏のギャップ。作品の中で描かれている舞台裏のうち、どれがフィクションでどれがノンフィクションなのか…ということは置いといて、キラキラした表舞台と、それとは対照的な舞台裏のギャップが描かれているところに妙にリアルさを感じたのかもしれない。


表舞台と舞台裏は、「表舞台=舞台裏」にはならない関係性で…

いつだってキラキラした表舞台の陰には、

それを成立させようという想いを持った様々な人たちの努力・葛藤・苦悩・時に対立…etc.、

一見キラキラとは縁遠い要素たちを抱えた舞台裏がある。

そんなことを改めて感じた一冊だった。

P.S.

舞台裏の全部を知ることはできないので、メディアやネットを通して知ることができる部分以外の、舞台裏がどうなっているのかなんてわからない。

それでもあんなにも素敵な世界観を見せてくれる、ディズニーリゾートが大好きです。

またいつか、あの夢と魔法の国に行きたいな。

そんなことを思う今日この頃です。

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