見出し画像

8歳で見た映画フィルムー画面の向こう側に出会ったときのことー

12年前の記憶

映画フィルムが巻かれていく景色を、今でも覚えています。

席の後ろを見てみたら、ガラス越しに小さな絵が、クルクルと巻かれていく。

その景色を見たのは、私が8歳の時。
2008年、「崖の上のポニョ」を観た映画館でのことです。

当時8歳の私。

映画が終わって、ふと、「光がでている場所を見たい」と思い、スクリーンの反対側を見たんです。

そしたら、ポニョの絵がクルクル巻かれていくんです。

赤色のポニョが、バンザイしている状態で巻かれていく。

目が奪われたし、不思議で、よくわからなかった。でもとってもオモシロイと思ったんです。

私めっちゃ覚えているなぁ笑

見えない世界に興味を持った

この出来事が、画面の向こう側、映像製作の世界に惹かれたキッカケのように思います。

今思い返すと、この頃から、もともと、物を分解したり、根源を見つけたりするのが好きだったんでしょうか。

そして映画フィルムを見たことで、「源」を探る気持ちと好奇心が「映像」に向いたのだと思います。

どのようにテレビができているのか、アニメやドラマができるのか。
その気持ちは年齢が上がるにつれ、より具体的になりました。
セットの作り方、映像の撮り方、照明のこと、小道具や衣装のこと、
たくさんの興味に広がりました。

知れば知るほど興味が湧いたし、その気持ちは今もあると思う。
ドラマや映画など、物語が紡がれて、誰かに届ける形になることに、とても興味があります。今もずっと大好きです。

それにしても、私は記憶力がないくせに、ガラス越しに見た景色を、10年以上経つ今でも覚えているのだから、それだけ印象に強かったんだろうなぁ~。

さてここからは余談。私が見たものは本当にフィルムだったのか気になり、自分なりに調べてみました。

まず日本でデジタル式映画館が普及したのは2019年からだそうです。
また「崖の上のポニョ」は、ジブリとして初めてブルーレイで販売された作品ではあるようです。ジブリでの完全デジタル化は、2010年の「思い出のマーニー」からだという文面も見つけました。
これらの情報から、私が見た「崖の上のポニョ」の上映はフィルムだった可能性が高いと推察しています。

思い出の映画館に行ってみた。

さて、そんな思い出の映画館は今どうなっているのか。

運営会社や形式が変わったものの、今も同じ場所にあります。

名前は「キネマ旬報シアター」。

「キネマ旬報」という名前に反応するひともいるかも知れませんね。

そう、この映画館は映画雑誌「キネマ旬報」を発刊しているキネマ旬報社が運営しています。

そして一般的な大型映画館と異なるのは、新作放映ではなく、過去作品を中心に上映している点です。

またスクリーンが3つの小さな映画館なこともあり、1日1つのスクリーンで3作品ほど上映されます。

「多様な映画文化を楽しめる場所として、多くの映画ファン、地域の皆さまに愛される映画館を目指します。」
ピッタリ体現していると思います。

そして私は12年ぶりに、この映画館に行きました。

高校生のときから上演リストを見ては、行くことを願っていました。
やっとやっと行けました、、、。

すごくワクワクした、、、。

行ってみると、少し覚えているんですよね。

例えば映画館のすぐ近くにレンガ調の建物に見覚えがありました。
当時、その建物を見て「なにかの物語みたいだな」と思っていたことを思い出しました。
館内も、当時と同じだったように思います。なんとなく見覚えがある気がする、、、という完全うる覚えですが、、、。

今回、私が映画は「はちどり」。
韓国の映画です。

上映は、デジタル。

12年前に見た映画館で、また映画を見る。自分で稼いだお金で映画を見ている。
上手く言い表せないけど、里帰りした気分です。

いつかまた行きたい。

また映画に沈む時間を、自分で迎えに行きたいと思います。
今度はぜひフィルム上映作品を観たい。

おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?