短歌にふれる:八首目
このシリーズは、短歌に惹かれはじめた筆者が「あ、いいな…」と思った短歌の、「いいな」を味わってみる試みです。日課にしていきたいので、500〜1000字で。直感は見つめ過ぎたら逃げていく。
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今日も引き続き、短歌ムック『ねむらない樹 vol.1』で知った歌を。柳宣宏さんの歌集『与楽』に載っている歌です。
眩しい歌だ。きらめいている。でもこのきらめきって、なんなのだろう。
センス・オブ・ワンダーという言葉がある。レイチェル・カーソンという書き手が残した言葉で、「自然や命の不思議さに目を見張る感性」と言われていることが多い。
短歌と、このセンス・オブ・ワンダーは深く通じているように感じる。表現全般かもしれないけれど。世界に出会ったとき、または出会いなおしたとき、そこには驚きが生まれ、その驚きが僕らを駆り立てる。
駆り立てられているときには、世界の色が濃くなる感覚がある。ひとつひとつに目が止まり、こちらに飛び込んでくるような。あのとき、世界は眩しくきらめいている。
この歌で「ああつ」と言葉が出てしまった夏草は、僕たちの在りたい姿なのかもしれない。
思わず声がこぼれるほど、世界が飛び込んでくることが最近あっただろうか。ないのなら、そんな僕とあんな夏草のあいだにどんな違いがあるのだろう。
いや、違いなんてないんだ。この歌は、そう伝えてくれている気がする。
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