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泣きたいのに涙が出ないぞ

これまで人に話すことをためらっていた気持ちを

聞いてくれる人達に出会った。

人に話すことでこの気持ちの正体が少しわかった気がするので

ここに残しておきたいと思った。

(聞いてくれていた人たちにとっては内容被りまくりですみまそん)


始まりは、泣きたいのに涙が出ないことがあるよねっていう話から。

私は、嫌なことがあったり気持ちが沈んでいるとき

自分のなかに黒いモヤモヤが立ち込めているのがわかって

頭の奥のほうはじわじわと湿ってくるのに

目から涙は出てこなくて、

苦虫を噛み潰したような顔で時間が過ぎるのを待つ。

泣きたいのに泣けないことにだんだん苛立って

もういい!って投げ出してしまう。そして忘れてしまう。

だいたいいつも夕方。厄介だ。


こういうとき、自分の辛さをしっかり自覚して

泣きたいだけ泣けたらいいのに、と思ってしまう。

私はたぶん、自分のしんどさを自覚しないようにする癖がある。


こうなったのは、私がこれまでの人生を順調に進んできたからだと思う。

家族はみんな元気だし、友だちとの仲も良かった、受験に失敗したわけでもない、周りの人や環境には恵まれてきた。

もちろん、全く辛い経験をしてこなかったわけではない。

小学生の頃に、すごく身近な人を亡くしたときは

初めて人の死を実感して、本当に悲しかったし落ち込んだし辛かった。

でもしばらくして、

その子を亡くした家族が一番辛いはずで、自分の辛さはそれに比べれば小さい

と考えるようになった。(比べることじゃないのはわかってる)

こんなふうに、辛い人を間近で見ることは結構あった。

でもその辛いのは自分じゃない。いつも私は傍で見ていることしかできなかったし、してこなかった。


それ以外にも、友だち関係や勉強のことで

人並みに悩んだし辛いって思うこともあったけど

私はそこそこうまくやってこれてしまった。

その「順調な人生」が私を臆病にしていると思う。

どん底まで落ちるくらいの辛い経験をしてきた人はやっぱり強いし、

そういう人たちを何度も見てきたからこそ

自分には何もないのかなという気持ちになって時々すごく怖くなる。


もちろん辛いことなんて無いのが良いに決まっている。

自分も辛い目に遭いたいとか、

そんなことを思ったことはないし、思っていいわけがない。

でも、自分が辛いなと思ったとき

これは本当に辛いのか、もっと辛い人がいるだろう、これぐらいは誰もが経験することだ

と思ってしまって、自分の痛みを自覚しないようにしてしまう。

だから涙がでるほど辛いと思えない。


別にこの癖は自分にとって悪いことばかりじゃなくて、

時にはポジティブ思考に繋がるし、私を強くもしていると思う。

実際自分が病むことはそうそうない。

でも、泣きたいのに泣けないのはやっぱり寂しいし

素直でいられたらいいのにって思うことはよくある。

難しいなあ。

この癖は治らなくても、幸せを感じる気持ちにだけは蓋をせずに生きていきたいよ。

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