さよならのあとさきに 処暑 (3)
母屋の隠し部屋で見た、母と良太の行為をひたすら記録してあった動画。
沙月、頭の中が混乱しすぎ何も考えられなくなっていた。
出ていった元夫、良太に対する恨み辛みは湧いてこない。
わが子の伴侶を寝取った母、恵に対する怒りも憤りも起きない。
夫と母の関係に気が付かなかった20数年、自分の家の隣で繰り広げられていた光景に気配も感じなかった20数年。
鈍いにも程がある。
世間知らずにも程がある。
人を疑う事を知らないにも程がある。
情けない、悔しい、、、寂しい。
自分自身に怒りが湧く、
そんな心の中に、【自分にも、母と同じあんな部分が、あるのかも知れない、、、】が、確かにある。
沙月は叔母にカメオ、全てを渡した。
小学校での職務も、通常通り熟した。
帰宅し一人の時、携帯で「SM」、「SMクラブ」、「ソフトSM」、「SM 店舗」、「鞭」、「大人のおもちゃ」、、、検索し読み漁る日々。
SMマニア向けマッチングサイトもある。ただ、信用出来るか分からない。一歩が踏み出せない。
母の所持していたおもちゃを綺麗に洗い使用してみる。
母のPCから映像ファイルをコピーし、自分のPCで再生し、趣くままに指を動かす夜が続く。
暫くして、20代後半の男性教師が、赴任して来た。
逞しい身体に惹かれていく自分が分かった。いつも彼を眼で追っていた。
その彼が、沙月に囁く。
「教頭先生、、、お話があるなら窺いますよ。」
「……今日、帰りに、、、」
彼を自宅に招いた。
街中のレストランや居酒屋で合っている所を見られる事は避けたい。そんな思いがいきなりの行動へと導く。
「教頭先生、お話って何ですか?」
「貴方、熟女はお嫌い?」
「いえ、嫌いではありません。ストライクゾーンは広めです。」
「抱いて欲しいの。むちゃくちゃにして欲しいの、、、何でも有り、、、で構いません。駄目ですか?」
「……喜んで、ご希望に添うようにします。お任せ下さい。」
初めての、積極的な沙月。泣き叫び、喜びの嗚咽を上げる沙月。意識が遠のき、目の前が真っ白になる沙月。
母の元から、沙月が持ってきたおもちゃを駆使し、笑いながら攻める彼。秘部で、アナルで、口の中で何度も果てる彼。
「ねえ、、、楽しい部屋があるの。今度、どうかしら。」
「どんな部屋?」
「鞭も蝋燭も、浣腸もギロチンも、バスタブもあるわよ。」
「ほほう、、、是非今度。」
沙月と彼との関係は続く。
そう、母と良太の様に続いて欲しい。沙月はそう願った。
彼との満ち足りた日々の中、沙月はふと思った。
良太を私の婿養子にと紹介したのは、母 恵。
その時にはもう、母と良太は関係していたと思う。
母は考えたに違いない。良太と別れないですむ方法は無いか、、、
いつでも傍にいて貰える方法は無いか、、、
そうだ。娘の婿に迎えよう。
娘は学校が忙しいはず。
良太は週2回は必ず帰ってくる。娘が勤めで居ない日が必ずある。
その計画は実行され、上手く行き始めた。
若い夫婦の為に新築された家。
それは娘に母屋に来る頻度を下げさせる為。
納戸を開かずの間にし、母の部屋と行き来できるようにリフォーム。
しかもそのリフォームも良太が行った。
良太は、トラックに乗る前は工務店で大工だったそうだ。
沙月、閃いた。
わが娘を呼び戻そう。
娘は今、大学生。
卒業後は運送会社の事務員、いずれは経営者として育てる。
運送会社のオーナーとしての権限で、それは出来るはず。
そして、彼を娘に充てがおう。
彼に、その計画を話し、協力して貰おう。
私は、母屋へ移るわ。そう母の部屋を使うの。
【なんて、素晴らしい計画なんでしょう、、、母さん、やっぱりあなたの子供なのね、私。】
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