泥中に咲く一輪の白い花(22)
父と姉
窓の外が白み始めている。
「いつからだ、、、お前はいつからオメコ、するようになった、、」
「10歳。」
「はあ~?、、、誰だ相手は。」
「パパ。」
「……なんだと、、、ハハっ。居るもんだな、似たような奴が世の中には、、、」
「似たような人?、、、竜崎さんも?、、お母さん?」
「いや、姉きだ。3つ違いの実の姉だ。」
「ふ~ん、、、その人に何かしてあげようとか?」
「いや、いきなりしゃぶられた。……姉きは、障碍者でな、、、知能も遅れてて、特別な施設へ入ってたが、時々戻ってくるんだ。
俺が12の時、夜中にもぞもぞするから起きたら、姉きが俺のちんちん、しゃぶってたよ。気持ち良かったのか驚いたのか、誰か起こすと悪い気がしてそのままにしてた、、、
そしたら姉きは、俺に跨って来てよ。ハアハア言って、俺がイッテも腰を動かしてよ、、、俺もまた、入れたまんま大きくなってまたイッテよ、、、そんなんが3年、続いたよ。」
「そう、お姉さんですか、、、お姉さんも初めてだったの?」
「いや、施設かどっかで何時もやられてたんだろうな。でなきゃ覚えねえよ、、、姉き、バカだから覚えたらそればっかりだったんじゃねえか。猿のセンズリとおんなじだ。」
「可哀そう、、、お姉さん。」
「同情なんかするな。楽しい事覚えて嬉しかったかも知んねえし、、、」
「すみません、、、それからお姉さんとどうなったの?」
「死んだ。池にはまって溺れ死んだ。事故って聞いたけど、誰かに始末されたんじゃねえのか、、、」
「えっ、、、同じだ、、、、私もパパ、死んじゃった。川で、、、」
「ほう、似てるな、、、おっと、喋りすぎた。この事、誰にも話すな。話したら、、、、分かってるな」
「はい。分かってます。」
その日の午後、今度働くと言うキャバレーへ連れて行って貰い、マネージャーやお姉さんと言われる指導係の人に挨拶した。
その近くのこれから住むというアパートへも行った。ワンルーム。同じアパートに、竜崎さんのお店に勤める女の人が何人か居るそうだ。
寝具や家具は既にあり、用意するものはほとんど無かった。前に居た人が置いて行ったものがそのまま有った。
竜崎の部屋を出ていくまでの間、竜崎が居れば朝までヤッた。あのクスリも使い、気が遠くなるまでヤッた。こんなに良い物とは思わなかった。
パパの事も、母が連れて来た男たちの事もどうでも良くなる位に忘れる事が出来た。
でも、もう一人の桜子はその時は、天井の隅にいて眺めているだけで、戻ってきても何も言わない。まあ、良いかと思った。
【私、生まれ変わる。竜崎さんの為に働きたい。また、抱いて貰いたい。良いよね、桜子。】天井の桜子に向かって話す桜子。
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