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アニメ制作スケジュールの理想と現実

こちらの図をご覧ください。(左から右へ時間が流れています)

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アニメは流れ作業です。

コンテが終わってからレイアウト作業。レイアウトが終わってから原画作業。原画が終わってから動画作業……と前の作業が終わらないと、次の作業には入れません。
そうして絵作りがすっかり終わってから、編集と音響をやるのが理想です。

しかし、現実はどんどん編集とアフレコが前倒しされてきています。
いや、正確には絵作りがどんどん後ろに倒れていって、結果的に編集アフレコの予定日まで到達してしまった図です。(コンテからアフレコまで数ヶ月の間があります。理想では。)

先程、前の作業が終わらないと次の作業に入れないと書きました。が、それは絵作りの話。
編集と音響は、絵が完成していなくても、ムービーがあれば強行できるのです。
問題は、どんな画面か。

1. 原画の状態で撮影する原撮。
2. レイアウト時にラフ原画を描いてもらって撮影する、レイアウト撮。
3. 作画は間に合わないので、コンテの絵に描き足し、演出に簡易シートをつけてもらう、コンテ撮。

他には、動画の状態で撮影する“動撮”や、仕上げ(ペイント)はしたが、他は足りない“タイミング撮”、全て揃った“本撮”などなど、さまざまな“撮影”が存在します。


何故レイアウトにラフ原画が付属しているか、の答えはこのスケジュールにあります。

編集に原画が間に合わない。レイアウトだけでは動きが足りない。
ならば、せめて“ラフ”な絵でタイミングを測って欲しい。

そして現在、レイアウトと言えばラフ原画のこと。
と制作と作画が信じる程度には、このワークフローは定着しています。


ところで編集をコンテ撮でやるのなら、レイアウトにラフ原画がついてくる必要はなさそうです。
が、もうレイアウトの描き方がわからなくなってしまいました。


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