見出し画像

転機って何回あるんだろう


「NICUのある大きな病院に行きましょう。」
2020年12月18日。妊娠5ヶ月、19週1日の時にかかりつけの婦人科から言われた。


高校3年生の秋。
震えながら「付き合ってください。」と言った夫の顔が浮かんだ。
一生一緒にいる人だと直感して、7年。
社会人になって3年経ったら、仕事を任せてもらえるようになったら、と
やっとプロポーズされた。

ふたりきりの人生でもよかった。
和菓子職人としてもっと技術を身につけたかった。
結婚した翌年、コロナが日本にやってきた。
仕事がいつ再開されるかわからない、いつコロナが収まるかわからない中でこれからの人生を考えた時に、今しかないんじゃないかなと思った。

私は夫が大好き。
酔った時に街中で叫べるくらい好き。
そんな夫の思想を私以外の誰かに継承したかった。
父親としての人生は夫にとって、デザイナーとしての夫にもプラスになると確信していた。

そして妊活を提案して、幸運にも2ヶ月目に妊娠が発覚した。
サプライズは恋人の頃からできた試しがない。
すぐに報告して、まもなく仕事も再開した。
まだ世の中の経済活動もゆっくりで、仕事もゆっくりにしてもらえた。
なんと職場内で妊婦が私を含めて4人になってた!
みんな家族のこと、考えるよね〜

座り仕事メインで、通勤も徒歩を少なくして、元々運動もしない。
激しく動いたりは全くしていない。ごくごく普通の生活を過ごしていた。
食べづわりで、空腹になると気持ち悪かった。
職場ではグミを持ち歩き、家でもお菓子を食べてご飯を食べて…
でも、特定の食材がだめ、とかはなかった。
とにかくお腹が空くと吐き気がした。
そんなつわりも5ヶ月に入って安定期と呼ばれる12月になったらちょっと楽になって、次の検診で性別がわかるかな〜と痩せた体が少しずつふくらんでいく人体の不思議を楽しんでいた矢先。


「破水しています。
羊水が少ない。詳しく検査しないといけないので、大きな病院を紹介します。」


そう言われた時、私は急速に頭の中が整理されていくのを感じた。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?