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『JOKERに愛された男』第7回

 彼らがどこに消えたのか僕には分からなかった。
 しばらく辺りを探し回り、諦めて家路を辿り始めたところで潤は現れた。まるで何事もなかったように。
「やあ」
 軽く右手を挙げてみせる。無駄にキラキラしたアイドルみたいな笑顔で。
「やあ……じゃないよ!」
「じゃあ何て言えばいい?」
「言葉のチョイスの問題じゃなくて。あの人は?」
「お帰り頂いたよ。まだ何も盗っちゃいないし、別にいいんじゃないかな?」
 強盗の対応については口出しのしようがない。
「あの人もジョーカーって言ってたな」
「だね」
「やっぱり潤が僕を危険に導いてない? 保証されてるのが命だけって結構危ない気がしてきたんだけど」
「物事は起こるべくして起こるものだよ」

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