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『JOKERに愛された男』第12回

「私、岡田といいます」
「岡田さん?」
 彼は頷いて話を続けた。その一人称はワタシではなくワタクシ。
「実は私、借金取りみたいな仕事をしてまして」
「……はあ?」
「いや、分かってます。たんまり借金こさえてしまった私が悪いんです。でももう、ホントにそこで働くしか道が残ってませんで」
 別に岡田さんの職業に呆れたわけではなくて、ただ予想外の話に驚いたのである。潤の言う「そこそこの派遣元」とはヤクザまがいの闇金らしい。

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