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『JOKERに愛された男』第10回
お互いに有益な情報を得られないまま愛菜ちゃんを帰した後、僕は潤に尋ねた。
「ねえ、あの子に言うことはなかったの?」
「ん?」
「だって愛菜ちゃん、よくよく考えたら潤のお客じゃないか。あんたの後をつけてジョーカーを探してたわけだし」
僕らが話をしている間、彼はほとんど何も喋らず退屈そうにしていた。ともすれば聞いていないのではと疑いたくなる態度でこちらを見ているだけだった。
「俺は彼女の質問には殆ど答えられないだろうから、健太郎が対応してくれて助かったよ」
「本当にそう思ってる?」
彼は鷹揚に頷いた。
でも――。
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