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『JOKERに愛された男』最終回

「……でも、どうして僕のことを?」
「それが、俺が個人的に知りたいことだった」
「え?」
「俺の中には人ならざる力がある。その力を使って人を動かしていく。だからか俺は、とても鈍感な人間なんだ。自分の働きによって誰がどうなろうと興味が持てない。これもジョーカーを宿した代償の一つかもしれない」
 潤の視線から鋭く冷たいものが垣間見えた。
「――って、こんなことを言うとまた君に嫌われてしまうかもしれないけどさ」
「まさかとは思うけど、あんた僕に嫌われようとしてない?」
 今度はニッコリ微笑む。ああもう、何なんだ。

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