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後味って大事だよね

 こんにちは、亀山真一です
 今期のドラマ後半戦……といっても前半戦で書いた通り今期は体調と原稿の都合でかなり厳選し、TVerで倍速視聴するドラマもありませんでした。ドラマフリークの僕からすると本当に少ないなと思います。さて。

 面白かったという枠では語れない『新空港占拠』は……よく続編をやったなと思うし、よく自分も見たなと思います。途中から完全にながら視聴でした。
 相変わらず櫻井翔さんは熱血刑事というよりは狂気じみていて、それを生かしているのか殺しているのかよく分からない展開でした。犯人サイドにも共感できる事件にしたかったはずなのに、主人公の身内に突っ込みすぎて大失敗しています。それっぽいアクションや大道具を使いたかっただけ、菊池風磨くんをもう一度出したかっただけ、「嘘だろ」と言いたかっただけ、あとは……何でしょうね? クライマックスが近づくにつれて事件の真相からどんどん興味を失っていったのであまり印象が残っていないのです。

 あ、瀧内公美さんが格好良かったです。去年は『大奥』の伊勢守が素敵だったんですが、まるで別人でした。次の『光る君へ』の明子もまた別人で、すごい役者さんだと思いました。


 途中まで面白かったのに最後にずっこけたのが『めぐる未来』です。
 当初から「時間が戻る病気」という表現は気になっていました。診断書なんか出ないだろうし、ダメだと言われて思いとどまれる(=ある程度制御できる)なら「時間を戻す能力」ではないかと。

 しかし、身体への負荷と母親の言葉から主人公が病気と認識することはあり得るかもしれません。若干の説明不足と言葉の綾で片付ければ、事件そのものは面白かったのです。
 やり直して上手くいく部分といかない部分の塩梅がちょうど良かったし、僕の最近のイチオシ俳優である萩原利久くんに始まり、早見あかりさん、大西礼芳さん、時任勇気さんなどなど……配役が絶妙でしたね。視聴率より完成度を考えている感じがして好きでした。犯人も逆恨みがクサすぎたけれど真相としては悪くない、それなのに――。

 最終回に中学生からやり直すのはアリなのか……いや、もともと辿るべき未来だったと考えればそこまではギリギリ許せたんです。けれどもどうして早見さんが不幸になっていたのか、飛び降りを止めなかったことから始まるバタフライエフェクトがあったのならば全て説明してくれなければ納得できません。本当に萩原くんの名演を無駄にしないでください……と気付けば言いたい放題ですね。でもやっぱり後味が良くなかったんですよ。残念。


 最後に、今年の大河ドラマ『光る君へ』はなかなか面白いと期待しています。大河ドラマなのに完全に恋愛ドラマで会話劇、きれいに魅せてくるので45分が短く感じます。
 平安時代は詳しくないけれど「源氏物語」に関しては「あさきゆめみし」を学生の頃に大人買いして予習済みでしたので、雀の子とか雨夜の品定めとか元ネタを感じさせるシーンには敏感だと思います。それに花山天皇のくだりなんかは「古典の授業でやった『大鏡』じゃん!」と記憶がまざまざと蘇りました。教科書の隅に載っている系譜だけでは印象が薄かったけれども「粟田殿は道兼ってことだよね?」と古文の教科書を引っ張り出して確認しました。楽しい。

 役者に関しては、まず僕が羞恥心世代なので上地雄輔さんが出てくるとそれだけでちょっと嬉しくなります。それから「申し訳ないけど柄本佑が格好良く見えないのは明と時生のせいだよね」とか「町田啓太ってイケメン俳優扱いされているけど僕の好みじゃないから(柄本佑、町田啓太、渡辺大知、金田哲の)4人の顔面偏差値がちょうど同じくらいに見える」とか、すごく失礼な品定めを母としています。序盤のイケメン枠は間違いなく高杉真宙くんと玉置玲央さんですね。高杉くんはダメな弟の演技も含めて癒されますし、玉置さんの悪役ぶりがもうゾクゾクしてしまいます。この人も『大奥』の時とは別人ですね。
 最近になって三浦翔平さんが出てきましたし、これからキャストが増えていくのが楽しみです。

 ちなみにウチの母は、恋愛ドラマはあまり好みではないらしく「平安時代ってそんな感じなんだ」という興味で見ているけれど、ドラマとしてはそこまで面白いとは感じていないそうです。
 過去イチは『どうする家康』だったって、気持ちは分かるけどいかにも邪道のあの作品を過去イチと言い切るのはちょっと勇気が要ります。本当に面白くはありましたけどね。

 他の良作も、僕の記憶と好みでは『おんな城主直虎』が最初に出てきてやっぱり恋愛ドラマな感じです。『光る君へ』も記憶に残る作品になってくれたらと思います。
 そして来期はいっぱいドラマを見て良作に出会いたいものです。


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