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歴史の宝庫 伊豆の国市の案内人 ー伊豆の国歴史ガイドの会 会長・大村政義さんー

 伊豆の国市で活動する「伊豆の国歴史ガイドの会」は、韮山反射炉や江川邸、願成就院など伊豆の国市内の歴史・文化施設でガイド活動を行うボランティア団体です。
 今回は、会長の大村政義(おおむらまさよし)さんに、活動内容や活動に対する思いなどをお伺いしました。

大村政義さん

「伊豆の国歴史ガイドの会」とは

 伊豆の国歴史ガイドの会は、2001年に、幕末の英傑である江川英龍の生誕200年を記念して、「韮山歴史ガイドの会」として発足しました。2023年時点で、会員数は33人です。平日は、世界文化遺産の韮山反射炉でガイド活動を行っています。土日祝日には、江川邸、願成就院、蛭ヶ島公園でもガイド活動を行っています。また、観光客からの要望により、北条の里や韮山城跡など、その他の歴史・文化施設でのガイドも行っています。

 2015年に、韮山反射炉が世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として登録されたことを機に観光客が増加し、2019年には発足時からのガイド案内数が累計100万人を突破しました。現在まで延べ123万人の観光客を案内しています。市長や静岡県観光協会、さらには静岡県知事からも表彰を受けています。
 また、2021年には、県が地域ぐるみでの文化財の保存や活用の取組を促進するために創設した、「ふじのくに文化財保存・活用推進団体」に認定されました。伊豆の国歴史ガイドの会は、歴史と実力のあるボランティアガイド団体として活躍しています。


2019年にガイド案内数100万人を達成

受け継がれる経験と知識

 大村さんは、大学生から高齢層まで幅広い年代の会員が在籍していることが、ガイドの会の強みだと語ります。「発足当時の会員も多く残っています。その方たちが、ガイドする上で必要な知識や心構えなどを、私たち下の世代の会員に教えてくれています。」
 また、月に1度、ガイドの勉強会を開催しています。講師を招き、観光客への対応の仕方や、一般的には知られていないマニアックな歴史の知識について学んでいるそうです。「先輩ガイドの方たちや、勉強会に講師として来てくれる方など、私たちの“先生”となってくれる方がたくさんいます。そこがガイドの会の強みだと思いますね。」
 ガイドの会では、たくさんの“先生”たちが培ってきた経験や豊富な知識が、代々受け継がれているのです。


歴史を好きになってもらうために

 大村さんは、おもてなしの心を第一に、観光客に楽しんでもらえるようユーモアを交えたガイドを心がけていると語ります。その中で、大村さんが意識しているのは、「なぜだろう?なぜだろう?」と観光客に疑問を投げかけながらガイドするということです。「年代や人物の話ばかりだと、つまらない話になってしまいます。そうではなくて、“なぜこの建物は造られたのだろう?”、“なぜこの場所に造ったのだろう”といったように、観光客に疑問を投げかけながら話をすると、とても興味を持ってもらえます。とくに小さなお子さんたちは、我先にと手を挙げて答えてくれます。歴史を好きになってもらうためには、そういった話し方が一番じゃないかと思いますね。」

 伊豆の国市には、縄文・弥生時代から現在に至るまでの歴史・文化遺産が数多く残っています。「伊豆の国市は“歴史の宝庫”です。ガイドするにはうってつけの場所です。私たちガイドの話を聞いて、伊豆の国市の歴史や文化、そして郷土に関心を持ってもらえたらなと思います。また、ガイドの最後に、みなさんから拍手をいただくこともあるのですが、その時は本当にうれしいです。」


おすすめスポット

 大村さんに、伊豆の国市のおすすめスポットを教えていただきました。たくさんの魅力的なスポットがある中で、大村さんが特におすすめしてくれたのは、「韮山城跡」、「守山」、蔵屋鳴沢敷地内の茶畑にある展望台(韮山反射炉南東)の3か所です。「この3か所からは、富士山や箱根連山、そして田方平野が一望できます。高い建物も少ないですから、歴史上の人物たちが眺めていた景色とほとんど変わらない景色を眺めることができます。」

 伊豆の国市を知り尽くした大村さんがおすすめするスポットに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


守山山頂からの眺望

おわりに

 大村さんは、伊豆の国市を訪れる観光客に、ガイドを通して伊豆の国市の本当の魅力を体感してもらいたいと語ります。「伊豆の国市には、一般的にはあまり知られていませんが、魅力的なスポットがたくさんあります。私たちのガイドを通して、伊豆の国市の本当の魅力を体感していただきたいです。そして、何度も伊豆の国市を訪れてほしいですね。」

 これからも、伊豆の国歴史ガイドの会は、伊豆の国市の様々な魅力を伝え続けていきます。

(担当:駒谷)