巡り遭い ~絶望した私が出逢ったTHE ALFEE~

冬野昴、というのは私の筆名だが、これを考案したのはいつ頃だかもう忘れた。

私は作家になりたい、小説家になりたいという志を持って、というかほぼその夢一つで、長い寝たきりの生活から復帰して、なんとか社会生活を立て直そうとしている。

冬野昴という存在は、私しかその才能を確信していない、めちゃくちゃ成功しているとか、めちゃくちゃ金持ってる人間からしたらゴミみたいな存在である。

まあ逆に言えば「小説家になりたい!」と本気で思ったからこそ病と拮抗しうるだけの力を持つことが出来たともいえるが、それこそ明治時代の文豪並みに虚弱なクリエイターの悩みと言えば「今クリエイティブ界隈で上手いことやってる人たちのように『二足の草鞋』が出来ない」という点である。

私には圧倒的に体力が足りない。東京生まれで独りぼっちの生活、都会で生活するのに十分な財力も商才もない。加えて安定したお勤めをすると発狂するというタイプでもある。(前の記事参照)サラリーマンも満足に出来ないのだ。

生粋のクリエイターの家系に生まれているのだが、私がクリエイターとしての自信を持てるようになったのはつい最近なので(それどころか死ぬべきと思っていたので)唯一私の身を支える杖は「夢」でしかない。

そうした生き方を否定してくれても構わないが、私は実際それで病気が良くなったという「信仰」に近いものがある。しかし、自分一人で立ち上げた信仰なんてものも非常に脆弱なのである。

ハローワーク用語でいうところの「フルタイム」つまり社会人が一人で暮らしていけるだけの標準的な金額を稼ぐための就労形態に就くことができないので、お金がない。現金がない。ちなみに年金は却下された。そして多少世の中に通じている人であれば、私がクレジットカードやその他ローンが組めないということが何を意味しているかをお分かりいただけると思う。私は「ある手続き」を進めているのだ。

その手続きには、自分が犯した過ち二年分の履歴やら、この世で一番苦手なお金周りの書類と向き合わねばならなかった。
正直、この作業だけで、めちゃくちゃメンタルは下降し、それに加えて食費も切迫していたので、リアルにご飯を食べられないという状態も続いた。それでも仕事に行かねばならない。間抜けな私は低血糖でその辺の路上で倒れたりした。

ここまで細々と説明すれば、私が「やっぱ死ぬかぁ」とかつての希死念慮に捕らわれた、つまり絶望したことをお分かりいただけると思う。小説を書く時間も余裕もない。お金がないというのは、口座残高0円でなおかつクレジットカードなどが使えずパトロンも持ち家もない状態のことを指すのだ。

浪費家のみんな!特に言葉が軽いオタク!
本当に破産してから「破産する~」とか言ってくれよな!!

そんなある日、十年以上付き合いのある友人が動画を送ってきた。(携帯だけは何とか生きていた)どうも、彼女は最近THE ALFEEにハマっているようだった。

その時はそれだけでスルーしたのだが、それからしばらく経って彼女と会った時に、世間話の合間合間、例えば信号待ちのちょっとした時間とか、ビルのエスカレーターに乗っているようなちょっとしたタイミングで、THE ALFEEの話を挟んでくるのだ!

極めつけは、彼女と中野ブロードウェイにある「Spank!」さんという、我々が大好きなお店に寄ったときのことである。Spank!さんは昭和のムードを強く残している、「常に変わらないファンシーさがそこにある」というテーマ性の強い(と言っていいのか?)とにかくキュートなお店なので、流れている曲も昭和のアイドルの音楽などが多いのだ。
私が店内を見ていると、友人が突然
「あっ、この曲アルフィーだ!」
と言い始めたのである。私も気付かなかったし、店員さんも「えっ、これアルフィーなんですね~!いつも流れてるけど気付かなかった」とのことだった。Spank!さんならではのTHE ALFEE体験であった。

そんな私も、実は高見沢俊彦さんのことだけは昔テレビで見たことがあり、あのルックスや表現などが嫌いなわけがないと思っていた。(私は華美な男性が好きだ)

そして、ディズニーファンである私は 、ディズニー好きはTHE ALFEEの世界観との親和性が高いことを知っていた。一部の楽曲を除き、アルフィーの曲は「愛」「夢」「希望」をどストレートに肯定してくるのである。

友人は、わざわざいろんな動画を送ってくれたり、メンバーの紹介をしたりしてくれた。桜井さんや坂崎さんについて無知だった私に、それぞれの担当楽器から人柄から、いろいろ教えてくれつつ、私が好きそうな曲をチョイスしてオススメしてくれた。

そして……私は次第にTHE ALFEEの世界にのめり込んでいったのである!!

私はそれまでバンドにはまったことがなかった。
MALICE MIZERが大好きなのだが、それでもリアルタイムで追っかけていたわけではないし、どれだけ好きでもメンバーと担当が一致しないのである。BUCK-TICKも好きだったが、やっぱりメンバーが多すぎて、櫻井さんと今井さんしか覚えられないのだ。(5人で多いならLDHとかどうするんだって感じなのだが)

だが、THE ALFEEはその先例を覆してきた。
全員ボーカルだし、全員楽器を演奏する。担当楽器も非常に分かりやすい。(坂崎さんのみ多岐に渡るため、その時々で認識している)

そして全員全く方向性が違う。
全く意味が分からないのだが、それでも三人揃えばTHE ALFEEとしての美しいコーラス、幅広い楽曲の演奏、衰えることを知らないステージパフォーマンスを見せてくれるのである!!

また、昨今のコンテンツ業界は、配信やらSNSに追いつくので必死にならなくてはならない。私も俳優さんのオンラインサロンなどに入っていたが、毎朝更新されて、他のファンの様子なども気になってしまい、しんどくなってフェードアウトしてしまった。

これは夢小説の個人サイトの話でも書いたことだが、こちとらマイペースにファン活動をしたいのである。
AKBがその成功例だと思うが、生活の全てを囲い込んでくるようなコンテンツ界隈についていける体力や財力がある人間ならまだしも、こっちは生活が逼迫しており、もう全てにおいてヘロヘロなのである。


ただ死ぬという動作があまりに怖いから、(というか一大行事過ぎるから)しないだけの臆病な人間を奮い立たせるものってなんだろう、もう私は夢を捨てて、ただ干からびていくのを待つだけなのかもしれない……と思っていたときに、私の耳に、そして心に届いたのだ。

THE ALFEEの歌声が……!!!

私は何とか気力を取り戻し、クソみたいな書類作業もとりあえず片づけて、お金も執筆意欲も全くない状況だとしても、「夢を諦めず」「生きよう」と決意をした次第である。

そして毎日THE ALFEEの楽曲を聴いて、動画を観て、少しでも貧弱なエコノミックアニマルになった自分を「感性の野獣」として復活させるために、日々研鑽を重ねている。

すっかり忘れていたが、「感じる」という機能が死んでいたのだ。それがなくてはアウトプット(=執筆)など出来るわけもない。だが、THE ALFEEは私の感性のシナプスを復活させてくれた。

と、本来なら楽曲紹介もしたかったところなのだが、ちょっと長くなってしまったので、今回はこの辺にしよう。
THE ALFEEの曲については、宇宙観・禁断の愛・アーバンな感覚・夢・生きざまなどについて、様々語りたいことがあるので、追って書いていきたい所存である。

私は高見沢俊彦さんが大好きなので、この画像を貼って今回はおしまいにしたいと思う。
『白夜』という曲の英語版が『Crimson Kiss』なの、耽美の天才か?と思いました。

つづく!

あなたの感じたことって何物にも代えがたいよね、ってことを一人ひとりに伝えたい。感情をおろそかにしたくない。って気持ちでnote書いてます。感性ひろげよう。