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行先表示器と、この場所からの接続点と

世界へのつながりの道しるべ。

noteの最初に投稿した内容で「鉄道関係だとカメラを向けている先は駅の発車標など。」と書いたとおり、筆者は全国各地に旅行した際、駅に設置されている行先表示器をよく撮ったりしています。
この中でも筆者が特に好きなものが「反転フラップ式」と呼ばれる、パタパタ…と音を立てて表示内容が変化するタイプのものです。別の呼び方だと「ソラリ―式」「リーフ式」また単に「パタパタ」と呼ばれることもあります。

関東界隈で言うと2022年には2月に京急電鉄川崎駅に設置された同型の装置の運用終了され、鉄道趣味界隈では大きな話題となりました。

また、10月~11月には新横浜駅にて横浜Fマリノスによる同型の装置を使用した順位表が掲示されたこともありました。


筆者としては、この形式の表示装置の最大のポイントとして
「表示内容を切り替える際、表示させるつもりのない内容がチラ見できる」点にあると考えています。
鉄道や飛行機での行先表示は本来はその便が向かう目的地を示すものにすぎません。しかしながら、その場所に置かれていて、表示させようと思えばできる内容が見える、というのは人によってはワクワクする要素ともいえます。
この辺のチラ見せによるワクワク感を最もうまく活用したのがかつてTBS系で放送されていた「ザ・ベストテン」「クイズ100人に聞きました」でしょうか。
(余談ながら、現在CSで再放送している「ザ・ベストテン」Webサイト上で当時を彷彿とさせるパタパタ表示があったりします)

発車標として活用されていた反転フラップ式に話を戻すと、装置の性質上必ず「直接その場所まで乗り換えなしでたどり着けた駅・空港」が表示内容として収録されています。
その表示は見た瞬間今はまだいろいろな理由で行くことができないけど、行きたい!という気持ち(とそのための最低限のお金)があればそこに行くことができる。
筆者が小さい頃抱いた外の世界を見てみたい、という欲望を刺激するのに十分程だった記憶があります。

現在はメーカーによる部品製造も終了しており、現役で稼働する装置も数が減ってきています。
とはいえ、最新鋭のLED式やディスプレイ式であっても、特急の行先表示に「○○温泉」と表示されると「あぁ、温泉行きたいな」と考えたりします。

過去の事例では大手私鉄の東京急行電鉄がライバルの百貨店のPRにならないよう行先が「三越前」の電車の案内を濁したり、また地下鉄線からの私鉄直通で「東武動物公園」行の列車が設定開始されることによりPRにつながったり…と、駅名を工夫することでのPRというのは案外意識されていたりします。

ふと「どこかへ行きたい」と思ったとき、大きめの駅や空港に行って出発案内を眺め、改めてどこかに出かけるも出かけないもあなた次第。
希少になった反転フラップ式でなくてもかまわないですので、そんな気持ちを持ってもらえれば、と思います。

最後に阪急電鉄公式による同型装置の解説Youtube動画のリンクをおいておこうと思います。(当該装置は2022年2月末に撤去、現存しません)


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