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帰ってきた夏の猫

ヘッダー写真は、向こうに見える扇風機の前でだらける我が家の猫である。
夏である。

夏の猫である。と言っても、夏だけ我が家に猫がいるわけではない。正確には夏季限定の猫の遊びが帰ってきたのである。

最近半袖で過ごす日もあり、我が家も冬の間閉めておいたリビングと隣り合う和室との仕切りを開け放した。
すると和室の北の壁から、リビングの南の掃き出し窓まで7mほどの空間ができる・・・これが、猫の夏だけの遊びが発動する絶対条件である。

畳からカーペットonフローリングの7mの空間。我が家の猫にとって絶好のサーフェスの出来上がりだ。切るのがランクSSに困難な彼女の爪がダッシュの瞬間炸裂する。

そして絶対条件ではないが、高確率で引き金になるのが、くるぶしの出る靴下である。彼女は私の裸足、素肌のすねやくるぶしに異常な執着を見せる。真夏になれば日常のことなのでこの現象はなくなるが、素肌を見せ始めたこの時期は危険だ。
まずひんやりした鼻でちょっと素肌にタッチし、ざりざりと舐め始める。うひひ、やめれw。そしてすぐに、ちょっとだけ噛んでみる。カプ。やめれw

しかしこれは前置きだ。私がリビングを何かしらの用事でうろうろすると、彼女のホームグラウンド脇にあるソファから見え見えに、私を狙うポーズを見せる。
冬の間は、椅子取りゲームのように穏やかに彼女とわたしでグルグルとソファの周りをまわる程度で済む。(それだって十分アホだ)。しかし今、思う存分獲物を追いかけられる狩り場が、彼女の目の前に広がっている。(そんなに広くないけど、気分的に)

最初は知らんふりで普通に彼女の前を通る。彼女はちょっと前足を出して通り過ぎる素肌の足首に触れてくる。そして別のポジションに隠れ、わざとらしく、こちらを、まん丸の目で見つめる・・・もうダメである。誘われてしまうのである。

まずはスキップで彼女の前を通り過ぎる。彼女は同じように跳ねながら、私の足を触ろうとついてくる。和室の壁まで到達すると彼女は部屋の隅に陣取る。私は今度は小刻みな足踏みからのダッシュ(のつもり)。

ジャッと、彼女の爪が畳を蹴る音がする。ああ・・・・
そして彼女は本物のダッシュで私の足にタッチしてくる。真剣に捕まえたいわけではないので、左右交互に私の足に触れる。
彼女のテンションが上がりすぎて、ジャンプからのすね抱きつき、飼い主猫引きずり走りというコンボが発動したりする。
うれしい。気持ちいい。

しかしこれは、たいそう危険なのだ、彼女にとって。
結局、前に書いた2階編と同じような遊びなのだが、夏限定1階のこれは距離があり彼女に達成感を与えてしまう。

追いついてからも、走り跳ねる私の足にかまわずじゃれつく。そして時に痛い目をみる。ごんっ(猫の頭に小走りの私の足が当たる)。ふにゃっ(胴体に振り出した足がぶつかる)。

おっとおっとおっと。ごめんごめんごめん!

と、焦っているのは私だけ。彼女は謝る私の顔を不思議そうに見る。
「何のこと?」
たまに痛そうで、1分ぐらいちょっと隅っこで顔を洗ったりしているけれど。
たったそれだけ。
(猫はそんなに間抜けではないのだ)

結局危険なのは私の足首だ。初夏、私の足首(と畳)は知らぬ間に傷がついている。

いい季節になった解放感とスリルあふれる、猫と私の過ごし方だ。

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