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猫の備忘録

 先日愛猫の遊びについて書いたときに、7歳半の彼女が家に来てからのことをじっくり思い出してみた。そうしたら、彼女が幼い頃はしていたのに、いつの間にかしなくなったことをいくつか思い出した。

 どこかに記録しておかないと忘れてしまうかもしれない。いや、私は忘れないだろうが常にそのことを意識しているわけでもないので、形にしてどこかに保存しておきたい。

そんなことを書きつけておこうと思う。

残しておきたいこと 1
 小さかった彼女が、ジャンプして私の手に触った時の肉球の感触。
 生後約3か月で我が家にやってきた、たいそう小さかった彼女。私は歯磨きをしていた。左手はだらんと下がっている。 
 その左手の甲に、するっと、乾いてあたたかくて柔らかいものが、触ったのだ。
 いつの間にかやってきた彼女が、足元で、小首をかしげて私を見上げていた。
 不意討ちだった。
 彼女は小さい頃しばしばそれをした。私が先に気づくこともあったが、大抵は鏡を見ながら歯磨きをしていて不意を突かれた。
 そのハッとする感じと、手の感触。
 今でも私の手は、彼女の注目の的であるが、もう彼女はジャンプしなくても私の手に届くし、歯磨きの時にそんなことをすることもいつの間にかなくなっていた。

残しておきたいこと 2
 夜中に枕元に持ってこられるおもちゃ。
 彼女は、大抵は人間の生活ペースに合わせて夜は寝るのだが、そこは猫。夜中に覚醒することも時々ある。そして野生を取り戻す。あちこちの窓を覗き歩いてのパトロールの後、狩りの気分になる。昼間と同じ遊びを要求するのだ。
 彼女はそんな時、猫じゃらしかネズミのおもちゃをくわえて階段を上がり、ベッドの枕元に、ポトリ、と落とす。そして私の頭をそっと抑える。
 非常に迷惑であった。しかし激カワイイ。
 ネズミのおもちゃは、元々ひもと持ち手の棒がついているのだが、激しく遊ぶのでネズミだけになってしまったものがたくさんある。その一つを、わざわざ籠からくわえ出して持ってくる。
 その場合は、ベッドから、開け放したドアの向こうまでそれを投げてやると、びゅーっと追いかけて、くわえて戻ってくる。何回か繰り返す。
 猫じゃらしにも棒がついているが、彼女は柔らかい穂の部分をくわえ、棒を引きずってくる。ふと目を覚ますと、パチン、パチンと、階段を上がるたびにその棒が音を立てながら近づいてくる。
 ・・・・・・しょうがねぇなあ、遊ぶか・・・・・
 布団に入ったまま、猫じゃらしの穂や棒を、掛布団の端から出したり引っ込めたりして、獲物を演じる。

 ある朝起きると、階段の途中に、ひも付きのネズミおもちゃが放り出してあった。ネズミをくわえたのだが、ひもと棒が邪魔をして、階段を上がり切れずあきらめたのだろう。
 おかしくて笑った。いじらしくて、心の中で少し泣いた。

 今はずいぶん落ち着いて、夜中にそんなことをしなくなった。
 ネズミおもちゃと猫じゃらしで遊ぶことはまだまだ大好きだが、今は動いているおもちゃ以上に、彼女の関心は動力源である私の手だ。

 洗面所では、別の(私にとって)たいそう危険な遊びを編み出した。

 下の写真は、現役の猫じゃらしとネズミおもちゃ、そして、彼女の犠牲になったネズミ諸氏(もっとあるはず)。

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