白石隼也

Shunya Shiraishi

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    2018~2022年までtumblrに掲載されていたアーカイブ記事と未公開記事をまとめたエッセイ集。

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原点

高校生になって初めて自分のPCを買い与えられた。良好なネット環境が普及し、PCが低価格化されてきたそんな時代だった。今は亡き日立製のデスクトップで、ハイスペックな代物ではなかったけれど、それはそれは楽しい遊び道具となった。遊び方は今のそれとは随分異なる。ネット環境が良くなったとは言えど、動画を快適に見るにはまだまだ不十分で、YouTubeさえ流行っていなかった。時代を席巻していたのは、2ちゃんねる等の掲示板や、ようやく一般にも認知され始めたブログであった。文字の時代。エッチな

    • ひたる【札幌】

      『あらしのよるに』次なる旅の舞台は、北海道は札幌へ。 札幌は大好きな街の一つで仕事でここに来られるのは大変に嬉しい。初めての札幌は映画『鏡の中の笑顔たち』の撮影だった。あれはもう10年近く前、雪の降る札幌で数週間を過ごした。凍てついた道路にすってんころりん、ただ真っ直ぐに歩くのも苦労してホテル近くのお店で食事を済ませることになった。特に評判がいいわけでもない、繁盛しているわけでもないお店に立ち寄るのだが、これが何処へ行っても漏れなく美味しいのだ。観光客も多いこの規模の街として

      • unRadio 2024.9.15

        メンバーシップに加入すると全編(14:21)を視聴することができます。

        • オタスシ【秋田】

          東京千秋楽から一週間と少し、『あらしのよるに』地方公演が始まった。 オオカミの役というのは想像以上に大変で、身体の使い方はもちろんのこと全身に毛をまとった衣装にも苦しめられた。いつどこで得たのかも分からない傷や青あざが出現し、まさに疲労困憊であったが、この期間で身体はすっかり回復した。「稽古が始まってから4、5キロは痩せましたね」と方々で誇らしげに吹聴したが、実際には2キロほどしか痩せていなかった。昨年の『ジョン王』愛知公演では流行り病をまんまと患い降板している。あの苦い想い

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        • ラジオコンテンツ「unRadio」企画、お便り募集中

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        • 2024年8月【銀座のお土産】

        • 2024年7月【湾岸のお土産】

        • 2024年6月【中野のお土産】

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          ひたる【札幌】

          『あらしのよるに』次なる旅の舞台は、北海道は札幌へ。 札幌は大好きな街の一つで仕事でここに来られるのは大変に嬉しい。初めての札幌は映画『鏡の中の笑顔たち』の撮影だった。あれはもう10年近く前、雪の降る札幌で数週間を過ごした。凍てついた道路にすってんころりん、ただ真っ直ぐに歩くのも苦労してホテル近くのお店で食事を済ませることになった。特に評判がいいわけでもない、繁盛しているわけでもないお店に立ち寄るのだが、これが何処へ行っても漏れなく美味しいのだ。観光客も多いこの規模の街として

          ひたる【札幌】

          unRadio 2024.9.15

          unRadio 2024.9.15

          unRadio 2024.9.15

          オタスシ【秋田】

          東京千秋楽から一週間と少し、『あらしのよるに』地方公演が始まった。 オオカミの役というのは想像以上に大変で、身体の使い方はもちろんのこと全身に毛をまとった衣装にも苦しめられた。いつどこで得たのかも分からない傷や青あざが出現し、まさに疲労困憊であったが、この期間で身体はすっかり回復した。「稽古が始まってから4、5キロは痩せましたね」と方々で誇らしげに吹聴したが、実際には2キロほどしか痩せていなかった。昨年の『ジョン王』愛知公演では流行り病をまんまと患い降板している。あの苦い想い

          オタスシ【秋田】

          unRadio 2024.9.8

          unRadio 2024.9.8

          unRadio 2024.9.8

          日生劇場への旅路【銀座#4】

          初の日生劇場、そして舞台としては初の主演作となった音楽劇『あらしのよるに』無事に東京公演を終えました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。この作品は日生劇場ファミリーフェスティヴァルという子供たちやそのご家族に向けた企画の一つで、これまでに見たことのない景色、味わったことのない感覚を得られるのではないかとお受けした仕事でした。 なぜ今この作品を作るのか、何を観客に届けたいのか、自分が関わる上でそういったテーマ性やメッセージ性はやはり大事にしたいと思っている。不朽

          日生劇場への旅路【銀座#4】

          unRadio 2024.8.23

          unRadio 2024.8.23

          unRadio 2024.8.23

        記事

          unRadio 2024.9.8

          メンバーシップに加入すると全編(13:34)を視聴することができます。

          unRadio 2024.9.8

          unRadio 2024.9.8

          日生劇場への旅路【銀座#4】

          初の日生劇場、そして舞台としては初の主演作となった音楽劇『あらしのよるに』無事に東京公演を終えました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。この作品は日生劇場ファミリーフェスティヴァルという子供たちやそのご家族に向けた企画の一つで、これまでに見たことのない景色、味わったことのない感覚を得られるのではないかとお受けした仕事でした。 なぜ今この作品を作るのか、何を観客に届けたいのか、自分が関わる上でそういったテーマ性やメッセージ性はやはり大事にしたいと思っている。不朽

          日生劇場への旅路【銀座#4】

          unRadio 2024.8.23

          メンバーシップに加入すると全編(23:33)を視聴することができます。

          unRadio 2024.8.23

          unRadio 2024.8.23

          銀ぶら【銀座#3】

          ジュノン編集部に美容室、こうして高校生の頃から銀座には通うことになった。だいたい仕事もレッスンもない学校終わりに美容室へ行き、そのあとは銀座の街をぶらぶら散歩をした。銀座一丁目から八丁目、さらには有楽町や日比谷辺りまでくまなく練り歩いた。もちろん銀座で買い物をするお金などない。一杯1000円を超えないくらいの喫茶店を見つけては背伸びをしてブラックコーヒーを飲むのだった。本当はオレンジジュースが、せめてカフェオーレが飲みたかったけれど、大人ばかりの銀座の喫茶店で舐められるわけに

          銀ぶら【銀座#3】

          unRadio 2024.8.16

          メンバーシップに加入すると全編(18:19)を視聴することができます。

          unRadio 2024.8.16

          unRadio 2024.8.16

          小坊主のお洒落【銀座#2】

          ジュノンボーイコンテストを機に俳優という仕事に就くことになった。僕は校則が厳しい私立高校から、都内の通信制の学校に転校した。それまでは定期的にある頭髪検査という謎の式たりのおかげで、髪の毛のお洒落はほとんど諦めていた。前髪は目に掛かってはならず、サイドは耳に掛かってはならず、襟足はワイシャツに掛かってはならず、パーマやカラーはもちろん厳禁。入学時に偽って天然パーマや地毛の赤髪申請をしていた強者もいた。規則というのは制限されればされるほど破りたくなるもので、僕も脱色スプレーを少

          小坊主のお洒落【銀座#2】

          unRadio 2024.8.11

          メンバーシップに加入すると全編(15:22)を視聴することができます。

          unRadio 2024.8.11

          unRadio 2024.8.11

          出自【銀座#1】

          銀座は中央通りを日本橋方面に進み、首都高の京橋高架下を右に曲がるとジュノン編集部が入る主婦と生活社ビルがある。銀座と日本橋のちょうど中間地点、この一帯は昭和を感じるビルやテナントが未だ健在している。ビルの周りには古くから続くであろう画廊やギャラリーが点在し、ここが文化芸術の発信地として機能していたことを垣間見る。主婦と生活社という社名は戦後すぐに刊行された『主婦と生活』という月刊女性誌からきている。赤字で書かれた大きな看板が目印だ。 渋谷で行われたジュノンボーイコンテストの一

          出自【銀座#1】

          unRadio 2024.8.5

          メンバーシップに加入すると全編(10:34)を視聴することができます。

          unRadio 2024.8.5

          unRadio 2024.8.5

          台場シティ【湾岸#4】

          湾岸エリアのラストはお台場へ。フジテレビが本社ビルをお台場に移したその頃、東京観光の新名所としてお台場が名乗りを上げた。旅行なんか滅多に行かない我が家でも、お台場に行ってみようということになった。恐らくこれが初めての東京観光。開発が進む湾岸エリアや丸の内のビル群を初めて見た。その中でも巨大な球体が引っ付いた不思議なビルは、21世紀の到来を感じさせるに相応しいインパクトを放っていた。ここが東京か、と胸が昂った。自分が将来ここで仕事をすることになるなんて知る由もない。 車に乗るよ

          台場シティ【湾岸#4】

          unRadio 2024.7.27

          メンバーシップに加入すると全編(13:25)を視聴することができます。

          unRadio 2024.7.27

          unRadio 2024.7.27

          愛しの佃煮を求めて【湾岸#3】

          夢の島をあとにして、次なる目的地の佃へと向かった。佃といえば、そう、佃煮の発祥の地である。ご飯のお供は?と聞かれるならば僕は佃煮と答えるほどの佃煮好きで、隅田川にかかる佃大橋を通る度に佃煮に想いを馳せていた。 東京湾に浮かぶ埋立地のなかでも、佃地区は特に古い歴史を持つ。遡ること江戸初期、隅田川の河口付近に鎧島という無人島があった。その島を幕府から与えられた武将・石川正次がそこに屋敷を構え、島の名前は石川島と改められることになった。それから間も無くして、石川島南側の干潟を幕府か

          愛しの佃煮を求めて【湾岸#3】