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ぼくの人生史上最大の奇跡

若い頃からぼくは老けて見られていた。

先輩と二人で出張に行くと、客先の担当者が先輩より先にぼくと名刺を交換をしようとするから、後で先輩に怒られた。

40歳の頃に先輩に連れて行ってもらったスナックで、ホステスさんに年齢を聞かれて、
「還暦です」
と冗談で答えたら信用されてしまった。

同年代の人たち30人ほどで研修旅行に行って、記念写真を撮り、後でその写真を見た仲間から、一人だけ白髪頭の老人が混じっているとからかわれた。

身長は低い方ではないが、40歳過ぎから髪の毛は真っ白で、さらに猫背で、細い体型をしていたから、老けて見えるのは仕方がない。

そんなぼくが50歳後半の今になって、歳より若く見てもらえることが増えた。
やっと実年齢が見ため年齢を追い越してくれたのだろうか。

そんな訳はない、全て筋トレの成果のお陰だ。

本格的に筋トレを始めてから5年ほどになるが、筋肉が大きくなる以外にいろいろな効能がある。

当然ながらポッコリお腹は解消された。

大胸筋を大きくさせるためには、猫背がよくない。
それで普段から姿勢を良くする癖がついていた。

肩の筋肉が盛り上がってくると、肩幅が広くなり、身体が大きくなったように見えるらしい。

筋トレに関係あるのかないのかわからないが、ほうれい線が薄くなったようだ。

筋トレは若造りするつもりで始めた訳じゃないのだが、長年のコンプレックスを逆転させる効果があるなんて夢にも思っていなかった。

生まれて初めて、実年齢より若く見えると言われた。
最初は冗談を言っているのかと思ったが、その人は若く見えるぼくのことが羨ましいとまで言ってくれた。

これはぼくの人生史上最大の奇跡だ。

「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。