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多職種連携の軌跡は奇跡!(2020まとめ)

「連携とは顔の見える関係づくり」という言葉があるが、ウチも同感である。
しかし2020年コロナ禍で顔の見える関係づくりは困難となった。研修会も懇親会も全てなくなり、新たな出会いはなくなってしまうのでは?と危惧していた。

そもそもこのシリーズを書こうと思ったのは、連携には興味があるが、どのように始めたらよいか悩みを抱えている人に対して、何かのヒントにでもなればいいかな?と思って書き始めた。これで医療介護連携が歯科医師としてっどう関わればよいかについて、細かいところをあげればきりがないが、大筋の総論的なところは出来上がったような気がする。

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始めの一歩を踏みだすには

ウチはそんなにコミュニケーション能力が高いほうだとは思わないし、今でもそう思っている。どちらかというとコミュ障の部類に入る人間だ。
そういう人はまず職能団体の仕事(具体的には歯科医師会の委員など)を買って出て欲しい。正直なところこれによるものが大きかった。
前にも書いたが情報が早く入手できるのが一番のメリット。そしてその職権を生かして行動できることだ。つまり役得を享受できるのがこれのいいところ。
逆を言えばどこの馬の骨か分からない1人の歯医者があれこれ言うよりも、歯科医師会の人間が言っていることは、数倍も力があるように感じられる。もちろん言動には十分注意が必要だが、自分の想いをアシストするには十分な力を持っていると言えよう。
「そんなの職権乱用だ」「そんなに偉くなりたいんか」なんて言われるかも知れない。しかし言いたい奴には言わせておけ。連携したいと思っている人は少なくとも心に何かを秘めている人だと思うので、外野のヤジごときでその想いを曲げて欲しくない。
歯科医師会をはじめ職能団体はみかじめ料を踏んだくる組織ではない。職種を代表していろいろ発信していくための組織でもある。他の職種の方に歯科の重要性が伝わり、さらにはその方々からも発信して頂くことがミッションの1つなのだから。

とにかくいろんなところに顔を出そう!

名刺はたくさん用意し、研修会、講演会、呼ばれた会議などには積極的に顔を出しておこう。もちろん懇親会があるのならそれにも参加申し込みしておこう。
自分はコミュ障だからという人へ。とりあえずこの本をおすすめしておく。

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顔の見える関係づくりとは、自分の顔を見せる、自分の名前を売り込むことから始まると思っている。
ただ1つ、ウチの悩みは人の名前がなかなか覚えられないこと。その辺についてはいい方法があれば教えて頂きたい。


情報収集能力と先を見通す力

これも実は重要だと感じる。これについて書いてある本はいくらでもあると思うので細かいことは割愛するが、やはり何といっても情報戦。今医療業界・介護業界で何が起こっているのかをある程度つかんでおいたほうが良いと思われる。
それと先を見通す力は、「相手はこんなことを望んでいるんだろうな」とか「こんなことで困っているんだな」とか、そういうことを情報収集すると良いと思う。そして自分の職種として、自分の専門分野として何が出来るかを考え実行する。そんなところかと思う。

一番大切なこと

全ては患者さんのため、他職種で働く人のために最大限出来ることを尽くすこと。これが一番大切なことだと思う。
昼休み時間に在宅患者のもとへ覗きに行ったこともあった。しかし食事の様子だけを見に行っても報酬があるわけでもない。散々「患者を増やすため」とか「経営のため」とか書いておきながら矛盾しているかも知れないが、時には採算を度外視することも必要と思う。
「三方良し」というウチの大好きな言葉があるが、三方良しの仕事は絶対になくならない。大儲けは出来なくとも最低限の食い扶持は保証されるはずと思っている。
実はコロナ禍で病院が嚥下を診なくなったが、ウチはVE(嚥下内視鏡)検査も行った。もちろん後ろ指刺されたらとかそういった怖さはあったが、やはり患者さんや他職種のことを考えると断ることは出来なかった。それは一(いち)開業医のフットワークの軽さならではのものだと思う。全てが理想論で片づけられるもんではないから。

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この先求められるものは何か?

この先は企業との連携も進めなくてはならない。
要介護者を減らすには、もちろん健康な人に何かをしなければならない。
今寝たきりの人に出来ることはほぼアイデアが出尽くした感があるが、健康な人に向けて何かをする方策はまだまだ伸びしろが大きい。また医療保険や介護保険の枠から外れるためビジネスチャンスともなり得よう。
(もちろん介護予防の名目で行政等が動いているのは知っているし、ウチもそれにいくつか加担している。)
それから、子供たちへの対応も必要になってくる。子供のうちから「どういうことに注意しないと寝たきりになりやすいのか」などといったことを考えさせ、啓発活動をしていく。子供の頃から「老いることとは」「死ぬこととは」などといった教育は必要だと思っている。死について、老いることについて議論するのはタブーだという考えはそろそろ無くしたほうが良いのではなかろうか。

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写真は行政主催でウチが講師となり介護予防講座を開いた時のもの。
2018年冬に開催したもので、当時の参加者は20名程。
この写真の10年ほど前、同じ地区で同じテーマで講演をしたときは、たった2名しか来なかった。それが10年で10倍に増えた。
介護予防に対しての関心が当時と比べ格段に高くなっているのを感じた。

短期的には寝たきり者だけの対応で良いが、中長期的には寝たきり者が増えては困る。だからこそ今健康な人たちへのアプローチを企業ともタッグを組んで考えていかねばならないと思っている。
ウチはこれから数年はこういった分野に目を向けてみたいと考えている。
まだまだ終わりではない。


それでは、またいつか。


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