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遺言や遺言書の作成

終活のなかで、【自分でできるもの】と、【他者に任せるもの】 の大きく二つにわけ、一つずつ詳細を記事にしていっています。
前回までに 1.人間関係の確認 2.保険や財産の確認 3.所有物の把握と処分 4.住まいについての計画 5.医療や介護の希望&計画と意思表示 を記事にしています。
【自分でできるもの】
1.人間関係の確認
2.保険や財産の確認
3.所有物の把握と処分
4.住まいについての計画
5.医療や介護の希望&計画と意思表示
6.遺言や遺言書の作成
7.葬儀やお墓の希望の整理と手配

今回は、6.遺言や遺言書の作成について記事にします。

エンディングノートには遺産配分の希望は書けますが、法的効力はありません。

しかし、遺された者たちが争うことを望んではいないということを理解してもらい、遺言による被相続人の希望や、そのような分け方をした理由などを各人に感謝の気持ちもこめて書き記し、気持ち的に納得してもらうための手助けはできるでしょう。


さて実際に、自分の希望する遺産配分を行うことができたり、相続人以外に財産を残せるようにするには、遺言書を作成する必要があります。
主な遺言書の種類は【自筆証書遺言】と【公正証書遺言】です。
共通していることは、相続の手続きが早くでき、遺された者の負担を軽減できることです。また、ご自身が希望される遺産配分を指定でき、相続人以外にも財産を残すことができます
共通して注意すべきことは、兄弟姉妹以外の相続人に保障されている遺留分(配偶者・子・父母が最低限相続できる相続分)には充分な配慮をすることが必要です。


各々特徴があります。
【自筆証書遺言】
・自分一人で思った時に作成できる
・費用があまりかからない
・家庭裁判所で検認の手続きが必要 下記1)にて補足
・財産目録以外は全て自筆であり、内容、作成した年月日、遺言者の名前と捺印
※注意すべきこと 
・形式不備により無効になることがある
・意味の取り違えがないような明確な文章にする必要がある(争いの元にならないように)
・紛失、廃棄、偽造のおそれがある
・改ざんのおそれがある
訂正がある場合は厳格なルールに従う必要があるため、不備にならぬよう全文書き直しが良い

1)自筆証書遺言の注意すべきことを補うものとして、自筆証書遺言書保管制度というものがあります。自筆証書遺言を法務局に預け、画像データ化して保管する制度です。こちらを利用した場合は、家庭裁判所での検認の手続きは不要になります
しかし、一度預けた遺言書の変更が難しいという部分もあります。


【公正証書遺言】
・公証人が作成(形式不備になることはない)
・財産目録 登記事項証明書 戸籍謄本 印鑑証明書 などが必要
・相続人以外に遺贈する場合は対象人の住民票が必要
・証人2人必要(作成日当日)
・原本が公証役場に保存されるため、紛失、廃棄、偽造のおそれがない
・病気等で外出できない際は自宅や病院などに公証人に来てもらい作成可能
・家庭裁判所での検認が不要(すぐに相続手続きができる)
※注意すべきこと
・準備する書類が多く、手間がかかる
・公証人に支払う費用がかかる
・作成日当日に証人2人が必要なため1人では行えない

これらの特徴を理解したうえで、それぞれにあった方法を選択していけるとよいと思います。


また、法的に有効な遺言書がある場合は遺産分割協議を行わずに済むので、遺言を執行する遺言執行者を決めておくことで遺産分割手続きを円滑におこなうことができます。

遺言書を作成して遺言執行者を決めておくことは、相続人の中に遺産分割協議に参加することが難しい人がいる場合(認知症や知的障害などにより)、その人の相続の権利を守ることもできますので、よりおすすめしたいところです。


相続全般については、また別途”一般的にどのようなことが考えられて、できることはこのようなことがある”ということをご案内したいと思います。
個別のご事情もあると思いますし、専門家の資格がないとできない部分もあります。
相続税に関しては税理士さん
必要な戸籍謄本類の取得等が難しい場合は行政書士さんや司法書士さん
法律上での問題が発生した場合は弁護士さん
など、専門家のお力やお知恵をお借りしつつ行うことになると思いますので、それらも踏まえてお伝えしていけたらと思います。

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