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【読書感想文】星の王子さまを読んで

※少しネタバレ要素あります


まず、私はタイトルだけを見て
「星の王子さま、という一人の男の子の物語なのだな」という先入観で読み始めました。
しかし、それは違いました。
“王子さま”と出会った一人の“ぼく”のお話でした。


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ずらずらと字が多い本で、少し難しいお話だよ、と聞かされていたので不安でしたが、入りからところどころイラストが描かれています。しっかりとした絵本でもなく…でも読みやすいように所々が平仮名になっています。

お話は“ぼく”が六歳の頃から始まります。
この頃から既に“ぼく”は、子供と大人の考え方の違いについて疑問に思っていました。
私は昔を思い出しても、六歳でそんなことを考えもしなかったなと思います。
また、「おとなたちには、いつだって、いつだって説明をしてやらなくてはいけないのです。」という一文を読んで、少し前に「子供でも大人でも、3歳でも分かる説明をしたほうがいい」という事を教わりました。もしかしたらこういう事なのかなぁと、この本を読んで再確認しています。

また、「ぼくがぼくの本を気軽に読んでもらいたくないからです。」「王子さまのことをここに書こうとするのは、王子さまを忘れないためなのです。」という文から、この本の目的は物語を書きたいわけではなく、王子さまの事を忘れないために書き記した、と言うところで、
王子さまを忘れたくない“ぼく”の為に、そして、“王子さま”の為に書いているんだと思いました。
お話は色々と展開していきます。

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59ページより、私は少しイライラしながら読んでおりました。もしかしたら王子もそう思っていたのかなと思いました。

最初の小惑星には 絶対君主の「王様」
2番目には 称賛して欲しがりの「うぬぼれ屋」
3番目には 酒を飲んでいることが恥ずかしい「酒飲み」
4番目には 星を所有する「実業家」
5番目には 決まりを守る「点灯夫」
6番目には 自分の惑星の事が分からない「地理学者」

色んな大人がいた、そのどれもが自分の事ばかり考えている大人でした。
そりゃ、王子さまも、変だなと思うわけですが。
頭が固すぎる大人が多すぎるのです。

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最後に王子さまが辿り着いた先の地球は、今まで足を運んだ惑星の中でも一番大きい惑星でした。

その中で出会った一匹のキツネ。
彼は、「なじみ」でなくては遊べない、と王子さまに言ったのです。
ですが王子さまはその言葉に意味が分かりませんでした。

現代の私たちの世界でも、信頼しあえて友達にならないとなかなか遊びませんよね。
なじみでないなら、そのへんにいる子供と変わらない。
なじみになって、たった一人の王子としてキツネと友達になる。
そして順序を経て、二人はかけがえのない友達になったのです。

そしてキツネは最後に教えてくれた「大切なものは目には見えない」という言葉
やっぱり、たとえどんな高価なものを相手から貰ったとして、その友情や信頼なんてそのものでは測りきれないですよね。もしかしたら何か企んでいるからそのために高価なものをわざわざあげたかもしれない。理由はいくらでも思い付きます。
いつだって、その人と過ごした時間があるからこそ、その時間が長いからこそ、信頼できるものである。そのことをこのキツネは王子さまに伝えたかった、し、私も改めてその時間が大切だなと改めて再確認させられた言葉でした。

そして私は最後の文の
「こうしたことがこんなにも大切だなんて、おとなにはどうしても分かりっこないのです!」
の文が心に残りました。

やはり全体を通して、大人は考え方が固定的で、頭が固くて、決まりきった考えしか持ってないと、このぼくは思っていたのでしょう。
そして私はこの本を読んで、本当に起きていた話だと、王子さまは本当にいて、実際にこんなことがあったと、信じてやみません。それくらいお話にのめりこめる作品でした。そして私は、子供の頃の考えや柔軟な発想、そういう気持ちを大事にいきたいと思いました。

なんせ、わたしもそんな大人達と考えが同じだと思うフシが
すくなからずあるからです。

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