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名実ともに遠い場所

2022.04.15

『水上バス浅草行き』読了

『水上バス浅草行き』(岡本真帆 ナナロク社)を読み終えた。

僕が、短歌の読者として全然成熟していないので、歌集を読むのがすごく苦手で、読むとすごく疲れちゃうんだけど、この歌集は(それがいいことなのかどうかわからないけど)全然疲れずにおもしろく読めた。

以下、感想を箇条書きにしてみる。

  • 装丁がかわいい。紙の厚さや質感、表紙の色使い、イラストのテイスト、全部よい。

  • 見返しの遊びから始まっているのが、映画の予告みたいでかっこいい。

  • 「ベタ」と「飛躍」のバランスが絶妙。総じて「わかる」ことが僕には心地よかった。

  • 特に犬の歌が突出してよかった。「南極に宇宙に渋谷駅前に」の連作が好き。

  • 1文字空けのルールが独特に見える。

好きな短歌。僕は「実感」がこもっているように見える作品が好きみたい。

ていねいなくらしにすがりつくように、私は鍋に昆布を入れる

入口で待ってる犬の飼い主が出てくるところまで見てしまう

深すぎるお辞儀でひらけランドセル スーパーボールスーパーボール

銀行の審査が下りない繋がれた犬を逃がした春があるから

「犬だけは無事です」とありひどい目に遭うのが人間だけでよかった

水上の乗り物からは手を振っていい気がしちゃうのはなぜだろう

わからないまで届くこと

「首都圏情報ネタドリ!」を観た。
Twitterのハッシュタグで、複数のアカウントが「わからない」と言及していることで「わからない場所にまで届いていてすばらしい」と思った。

小泉さよさんのTシャツ

かわいい。レディースしかないのが残念。

そして、このインタビュー記事の中にあるフランスでの小泉さんの著書の部数の話、以前ご本人に聞いてびっくりしたことがある。

イラストレーター小泉さよコラボ “ほっこり猫Tシャツ” (narufactory.shop)

15万部!

実家がなくなる

僕の実家は千葉市のマンションだったんだけど、両親亡き後、長姉が相続して、しばらく事務所として使ったりしていたんだけど、この度売りに出すことになったらしい。
もう新検見川は、名実ともに遠い場所になるのだな。

猫たちの誕生日

2年前に預かっていたのん(現:なる)とゆう(現:にあ)と昨年預かっていたなな(現:アン)とよう(現:テト)は、便宜的に今日4/15を誕生日としている。
どちらも春の繁殖期の猫たちだから、偶然というほどの偶然でもないけれど、必然といえるほどは必然でもない一致。

そんなそんな。