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今宵この世にこのひざに

2023.03.22

きょうは、早稲田のNENOiへ。

小泉さんのドローイング、とてもよかった。『三十一筆箋 -猫-』の「-猫-」の部分は、当初「猫」(CATS)と「人」(LIFE)の2冊を作ろうとしていたときの名残りなんだけど、「人」(LIFE)のほうは小泉さんのドローイングでお願いしたい、と思っていた。
「猫とはちがって、(短歌に合わせて)そんなにたくさん描くことは難しいと思う」という理由で、「ではひとまず『猫』を作りましょう」ってことで、『三十一筆箋 -猫-』ができあがった。
きょうドローイングを見せていただいて、あらためて「『人』(LIFE)を作るなら、短歌と無関係にみえるドローイングでもぜったいすてきなプロダクトになる」と思った。

NENOiでいただいたコーヒーがとても美味しかった。

NENOiで合流したキャッツミャウブックス安村夫妻と在廊が終了した小泉さんとで羊の肉をたらふく食べた。

ビールも何杯か飲んだので、いまはちょっと酔っ払いつつ書いている。

新刊裏話

『いまから猫のはなしをします』に掲載されている写真は1点を除いて、僕が撮影した写真だ。写真は素人なんだけど、短歌の内容がすごく日常的な生活に密着した作風なので、スナップのような素人の写真が合っているように思う。

そして、僕撮影ではない1点の写真は、小泉さよさんからご提供いただいたもの。

昨年末、忘年会できょうと同じキャッツミャウブックスさん、小泉さんとで飲んでいる際に「これこれこういう写真がほしいんだけど、なかなかないんですよね……」と話すと、小泉さんが「これとかどうです?」とご自分のスマホで写真を見せてくれて「ああ、これ、ぴったりです。使わせていただけますか?」「全然いいですよ!」という感じでご提供いただいた。どの、どういう写真かは、実物をご覧いただければ。

短歌研究

本日発売。

できる限り短歌もエッセイも2パターン準備して、編集部に渡して、編集部側でどちらを掲載するかを決めてもらうようにしている。
今回の未掲載短歌とエッセイはこちら。

短歌(タイミング)
あの道であの日鳴いてた猫だから今宵この世にこのひざにいる

エッセイ(雨)
今は亡き「いち」は、とても臆病だった。知らない場所が苦手で、二階の寝室からほとんど出ていかない猫だった。雷や雨音も苦手で、台風や豪雨のときは、怯えたように「あ、あ」と「千と千尋の神隠し」に出てくるカオナシのような声で鳴いていた。そのたびに僕らはいちを撫でながら、「いちは、そんなに臆病で、よく外で暮らしてたね」と笑い合っていた。今でも雷鳴や雨音が大きい日は、いちのことを思い出している。いちに会いたい。

そんなそんな。